導入に揺れる「サマータイム」、“本場”欧州のホンネは?
東京五輪のために導入すべきか
開幕まであと2年足らずに迫った東京五輪・パラリンピック。今年の夏はうだるような暑さが連日続いたことで、2020年7月24日に開会式を迎える同五輪の猛暑対策の必要性が一段とクローズアップされています。そこで対策の一環として浮上したのが、欧米では広く定着しているサマータイム制度の導入です。ところが、ここへきて、その動きに逆風が吹き始めました。欧州各国がサマータイム廃止へ舵を切っているのです。
日銀のETF買い「0.3%基準」は本当に変更されたのか
中央銀行の思惑はどこに?
日本の株式市場でメインプレーヤーといえば、外国人投資家でしょう。売買シェアは6~7割を占めており、株価の上昇局面ではリード役となるケースも少なくありません。一方、海外勢と並んで存在感を増しているのが日本銀行です。「量的金融緩和策の一環として実施している日銀の指数連動型上場投資信託(ETF)の買いが相場を下支えしている」と市場関係者は口をそろえます。
個人投資家こそ留意すべき「トルコショック」本当の危うさ
嵐は過ぎ去ったのか
世界中を揺るがせた「トルコショック」。金融市場はひとまず落ち着きを取り戻した感がありますが、危機再燃の火種は依然としてくすぶり続けているように思います。日本ではトルコの高金利に着目し、同国の通貨であるトルコリラ建ての投資信託や仕組み債など、さまざまな金融商品が販売されています。外国為替証拠金(FX)取引でもトルコリラ・円が人気の通貨ペアの1つ。それだけに、同国経済やトルコリラの行方に気を揉む投資家が少なくないかもしれません。
トルコよりヤバい?「EU離脱」に揺れるロンドンの今
ブレグジット控える英国現地ルポ
記録的な猛暑に見舞われた今夏の日本。緯度の高い英国も連日グングンと気温が上がり、「霧の都」などと称される首都・ロンドンでも連日、強い日差しが照りつけました。世界最古の地下鉄はサウナのような蒸し暑さ。冷房の設置されていない路線が多いためです。“ロンドナー(ロンドンに住む人の呼称)”には厳しい夏となりましたが、理由は猛暑だけではありません。
新制度導入1ヵ月、「ETF」は長期投資の受け皿になった?
マーケットメイク制度が始動
ETF(上場投資信託)は日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などインデックスに連動した運用成果を目指す金融商品です。初心者にも運用しやすいなどと指摘するFP(ファイナンシャル・プランナー)も少なくありません。多くの人がメリットに挙げるのは、売買が比較的容易なこと。市場で取引が行われている時間帯ならば、株式と同様、原則としていつでも売ったり買ったりするのが可能です。株式と同様、「背番号」ともいうべき証券コードも付いており、投資情報を提供するサイトなどでコードを入力すれば、リアルタイムで時価のチェックをすることもできます。
サッカーに続け!「フランス産スタートアップ」が熱いワケ
赤いニワトリは金の卵を産むか
6月中旬から1ヵ月にわたって熱戦が繰り広げられたサッカーのFIFAワールドカップは、フランスがクロアチアとの欧州勢対決を制し、20年ぶりの優勝を遂げました。フランスのブリュノ・ル・メール財務相は決勝戦の4日前に地元のテレビ局「フランス2」で、「GDP(国内総生産)への影響がどの程度になるかはわからないが、経済成長にはプラス」などと発言していました。しかし、今のところ、国内では20年ぶりの戴冠による「景気の押し上げ効果は限定的」(フランスの新聞「ル・フィガロ」の電子版)と受け止められています。「レ・ブルー(サッカーフランス代表の呼称)」が初の世界一の座に就いた1998年のGDPは3.6%増。1991年から1997年までの平均伸び率が1.4%にとどまっていました。それを踏まえると、今回もW杯特需への期待が高まるのもむべなるかな、というところでしょう。もっとも、1998年は自国開催。海外からの観光客流入や施設建設などのインフラ投資が国内景気を刺激した可能性が大きいとみられます。
大混戦はサッカーだけじゃない、混迷「欧州政治」の先行き
会議は踊る、されど進まず?
サッカー日本代表の快進撃で盛り上がったFIFAワールドカップ。日本以外にも格下とみられていたチームが強豪国を破るなど、大混戦の様相を呈しています。また欧州各国のチームには、移民の子孫の選手がエースストライカーとして華々しい活躍をした例もありました。決勝トーナメント1回戦屈指の好カードと言われたアルゼンチンとの対決を制したフランスで、今大会のMVP候補などと評されるキリアン・エムバぺ選手も輝きを放った一人です。本人はパリ生まれですが、両親はいずれもアフリカ系。父親はカメルーン出身のサッカー選手で、母親はアルジェリア出身のハンドボールのプレーヤーでした。日本との対戦で脅威となったベルギーのセンターフォワード、ロメル・ルカク選手もコンゴ民主共和国系の選手。代表チームのメンバー構成はさながら社会の縮図といえそうです。6月下旬にベルギーのブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)の首脳会議でも、中心議題となったのは移民・難民への対応です。急増する難民の受け入れなどをめぐり、夜を徹して激論が交わされました。
株式市場の波乱を先読み?“ある指数”の動きに要注意
くすぶる「不確実性」リスク
米国のドナルド・トランプ大統領の一挙手一投足に世界が振り回されています。6月にカナダで開かれた主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)では、保護主義的な通商政策を推し進める米国と、それに異を唱える他国が対立。史上初の米朝首脳会談に臨むためサミットを途中で切り上げた同大統領は、会談が行われたシンガポールへ向かう専用機の中から首脳宣言を受け入れないとする内容のツイートを投稿しました。ツイッターではホスト国カナダのジャスティン・トルドー首相も強く非難。同首相がサミット後の会見で、米国の鉄鋼・アルミ製品に対する関税措置などを改めて批判したのに対し、「不誠実で弱虫」とこき下ろしました。
明解解説!イタリアがここまでグダグダになった根本理由
なぜ突然の政権交代が起きたのか
ロシアで行われるFIFAワールドカップ。視聴者数では五輪をしのぐ、4年に1度の世界最大のスポーツイベント開催がいよいよ目前に迫りました。世界のサッカーファンにとって残念なのは、過去4度の優勝を誇る強豪国イタリアの予選敗退。本選のピッチで「アズーリ」が躍動する姿を見られなくなることなど、よもや考えもしなかったサポーターも決して少なくないでしょう。一方、金融市場では、イタリアをめぐるもう1つの「想定外」の出来事が、世界の投資家の肝を冷やしました。