Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
2万4000円を挟んでモミ合う「日経平均」、この先は上がるのか?下がるのか?
3つのデータで読み解く今後の展開
1月の株式市場は、日経平均株価でアベノミクス以降の高値となる2万4,217円を目前に、モミ合う展開が続いています。世界の株式市場は、昨年秋から世界的に上昇が続いてきました。きっかけは、米FRB(連邦準備制度理事会)が短期市場の資金逼迫を解消するため開始した、月額600億ドルの国庫短期証券購入です。市場参加者は、これを「ステルスQE(量的緩和)」であると好感し、ニューヨーク株式市場は上昇トレンドとなりました。この動きが日本市場にも波及し、株価の上昇要因となっています。一方で、今年1月8日に発生したイラクに駐留するアメリカ軍の拠点に対するイランによる弾道ミサイルでの攻撃や、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大といった悪材料もあり、上値を抑えられる展開が続いているのです。このように方向感が出ていない日本の株式市場ですが、この先の株価は上下どちらに触れていくのでしょうか。いくつかの点から考えていきたいと思います。
ドラッグストアとアパレルで明暗、小売業界の最新決算をどう解読すべき?
全体としては小幅な増収増益
12月下旬から1月半ばにかけて、小売企業を中心とした2019年9~11月期の決算発表が行われました。2月期決算が多いこれらの企業の今期業績の着地を見極め、来期の動向を探るうえで、9~11月期は非常に多くの示唆を含んでいるといえます。そこで今回は、小売企業全般の業績動向に加えて、業績が非常に好調な業種や銘柄、逆に不調な業種や銘柄を分析。優待銘柄として個人投資家にも人気の銘柄が多い小売業界の先行きについて、考えてみたいと思います。
“第4のがん治療”が中国で急発展、注目株はどんな企業?
期待の新薬が国承認リストに初収載
2019年11月28日に公表された「国家医療保険償還医薬品リスト(NRDL)」では、初めて「がん免疫療法」の「PD-1阻害剤」がリストに収載されました。これによって中国では今後、がん免疫療法の研究・開発が一段と進むとみられます。このがん免疫療法は、「手術」「化学療法」「放射線療法」に続く第4のがん治療として世界的にも注目を集めています。なぜ中国でこの第4の治療法の研究が急速に進んでいるのか、そしてどのような銘柄が注目されるのか、掘り下げみたいと思います。
ドル円相場は110円台に突入、1月の「円高アノマリー」は今年も発現するか
過去3年は円高が急進
為替市場では、例年1月は円高ドル安に振れる傾向があることが知られています。この理由については、米国企業のレパトリ(国外資金の国内への還流)に伴うドル買いが年末で一巡し、需給的にドル買い圧力が弱まることなどが指摘されています。ただし、これだけだと説得力に欠ける印象です。過去の為替市場が実際にどう動いたのか、振り返ってみたいと思います。
米中貿易協議の第1段階合意で株式市場は一段高となるか
米国株市場は小幅上昇で引けたが…
米中当局者は1月15日、第1段階の経済貿易協定の合意文書に署名。合意が成立しました。中国から劉鶴副首相が訪米し協議が行われる段階で、事前のスケジュール通りに協議は合意に至る可能性が極めて高まっていました。また、今回の合意文章は96ページと多岐にわたりますが、事前に当局者の発言などから想定される内容だったといえます。同日の米国株式市場は、午前中に上昇した後、貿易協定の合意に至ったことが報じられると上昇幅を縮小させました。ただ、ほぼ事前の想定どおりの内容で、サプライズはなかったため、主要株価指数はいずれも小幅ながらも上昇して取引を終えました。
イラン情勢を機に考えたい、投資における「地政学リスク」の備え方
“戦争リスク”の特徴と対策
大規模な軍事衝突の可能性は低いといわれているものの、ウクライナ機撃墜による反政府デモの勃発など、いまだ火種がくすぶっているイラン情勢。株式などのリスク資産で資産運用している人は、これを機に、軍事衝突のリスクに強い資産構成について確認し、いざという時のための備えをしておくことが大切です。そこで今回は、戦争や軍事衝突の懸念が生じた際にニュースでよく言及される、「地政学リスク」に強い資産構成について検討していきたいと思います。
パリ協定の本格始動で熱視線、「LNG関連銘柄」の有望株はどこか
“LNG大国”はお宝株の山?
地球温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」が、今年から本格的にスタートします。低炭素社会の実現を目指す中で、クリーンエネルギーとして注目されているのが液化天然ガス(LNG)です。そこで今回は、LNGを取り巻く現状を踏まえたうえで、今後の活躍が期待される関連銘柄について考えてみます。
MaaS革命で熱視線、「空飛ぶクルマ」関連銘柄は飛躍できるか
空の移動革命がやってくる?
5G(第5世代移動通信)の商用化が始まり、今までにない革新的なサービスや体験への期待が高まっています。こうした中、自動運転やコネクテッドカー、遠隔医療などとともに注目を集めているのが「空飛ぶクルマ」です。これはドローンを人が乗れるくらい大きくした乗り物で、垂直離着陸ができ、滑走路も操縦士も不要で、自動車のように気軽に移動できることを目指しています。交通渋滞とは無縁であり、道路が整備されていない地域でも自由に移動ができるため「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)革命」の一端を担う乗り物として期待されています。
日本の金融政策はどこに向かう? 欧米では「脱・マイナス金利」の動きも
マイナス金利はまもなく4年目に突入
日本では2016年2月以降、マイナス金利政策が続けられています。貸出利ザヤの縮小から多くの地方銀行が営業赤字に陥るなど、その副作用が大きな問題となっています。実際、苦しい経営環境を受けて、金融機関はATM手数料の無料措置縮小などを打ち出しているほか、最近では口座維持手数料の導入による顧客への負担転嫁も議論されています。一方、世界に目を向けると、真逆の動きを取る国も現れ始めています。日本の金融政策はどこに向かおうとしているのか、他国の状況を踏まえながら考えてみたいと思います。
「米国とイランの対立が早晩収束する」と金融市場が考える根本理由
市場関係者のメインシナリオとは?
令和になって初めて迎えた新年。今年2020年はオリンピックイヤーでもあります。例年よりも明るい気持ちで今年のお正月を迎えた方も多かったのではないでしょうか。そんな国内の平和なムードを吹き飛ばすようなニュースが外電で伝わったのは、まだおとそ気分も抜けない1月3日のことでした。アメリカ軍が、イラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官を、イラクの首都バグダッドで無人機攻撃によって殺害したのです。これにより、米国とイランの軍事的衝突の可能性が一気に高まりました。中東情勢の緊迫化を受けて原油価格は急上昇。安全資産とされる金および米国債に資金が逃避し、長期金利が低下、リスク回避の円高も誘発されています。こういう状況では日本株相場も売り圧力が強まるのは免れず、大発会の日経平均株価は451円安と急落しました。翌7日は米国株市場の反発、為替や原油相場の落ち着きを背景に大きく反発したものの、8日は複数の米メディアで「イランが米軍の駐留するイラクの基地を攻撃した」と伝わり、全面安の展開になりました。本稿執筆時点(8日午前10時)では、日経平均の下げ幅は600円に迫ろうとしています。年初から波乱の幕開けとなっ
ベトナム株の看板銘柄に異変?最大財閥「ビングループ」が小売事業を手放すワケ
急成長市場のはずなのに…
ベトナム最大の民間企業のビングループは昨年12月、同社が手掛ける国内最大のコンビニエンスストアチェーン「ビンマートプラス」など小売事業の経営権を、食品最大手のマッサングループに売却することを発表しました。同国は東南アジア第3位となる約9,600万人の人口を擁し、2040年ごろまで労働力人口の増加が見込まれています。所得水準の向上を追い風に、ベトナムの小売市場規模は2020年までに2010年の約2倍に当たる1,800億ドルへと拡大(ベトナム統計総局調べ)。中でもコンビニ市場の成長率は2017~2021年にアジア最大となる年平均37.4%が期待されています(英調査会社IGDまとめ)。このように小売市場が急成長する中、業界を牽引してきたビングループの事業売却にはどのような背景があるのでしょうか。
大発会は400円超の大幅安、それでも「株高の2020年」が期待できるワケ
中東緊迫で年始相場に冷や水
12月のグローバル株式市場では、米中貿易協議の「第1段階」の合意を好感して、株価が軒並み上昇しました。米国ではNYダウ、S&P500、ナスダック総合指数が過去最高値を更新し、日本でも日経平均株価が2018年10月以来となる2万4,000円台を一時回復するに至りました。ただ年明けの株式市場では、こうしたリスクオン・ムードが一転。中東情勢の緊迫化により日経平均は昨年末比で451円安という大幅な調整を強いられるなど、波乱の幕開けとなっています。当面は事態の行方を見守るべく、投資家の様子見姿勢が続きそうです。
「人の行く裏に道あり花の山」だった昨年の株式相場、2020年はどうなる?
相場格言と日経平均を徹底比較
2020年の株式市場は本日1月6日に大発会を迎えます。昨年は大発会から一時700円安を記録するなど、大荒れのスタートになりました。しかし、年間を通じた最安値は、この大発会の1万9,241円でした。2019年の日経平均株価は米中貿易摩擦や各国の金融政策に大きく反応し、値幅が上下約4,500円と変動が大きく、難しい相場となりました。しかし、9月以降は上げ基調となり、12月には一時2万4,000円を突破。終わってみれば、バブル崩壊以来の高値圏に位置するという結果となりました。今回は、そんな2019年の相場を、先人の経験則である相場格言で振り返り、2020年にはどうなるかを展望していきたいと思います
2019年のIPO銘柄「初値上昇率」「初値からの下落率」ランキング
投資する際の注意点は?
2019年の株式市場を振り返ってみると、年初は米中間の貿易戦争が激化するとの見方から、株価が大きく下落してスタートしました。が、その地点が年間を通じて株価の底となり、年末にかけて上昇が続く1年となりました。このような状況の中、個人投資家の間で関心が高まっているのがIPO(新規株式公開)銘柄です。しばしば人気化するIPO銘柄ですが、なぜ今、改めて関心が高まっているのでしょうか。そして、投資するうえで注意すべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。【ランキング】マザーズIPO全63銘柄の「初値上昇率」「初値からの騰落率」はこちら
2019年に「SNSを最も賑わせた株式銘柄」ランキング
1位はみんなが知ってる意外な銘柄?
2019年も残すところ、1週間足らずとなりました。今年の株式市場は「日経平均2万円割れ」という波乱の展開で幕開けし、米中貿易戦争の激化で株価が乱高下した1年でした。しかし秋以降は持ち直し、足元では2018年9月につけた最高値2万4,448円を再び狙う展開となっています。終わってみれば、日経平均株価は始値1万9,965円より2割ほど高い水準で引けそうな2019年。このような相場で、最もSNSを沸かせた銘柄は何だったのでしょうか。【図表】「SNSを賑わせた株式銘柄」ランキングTOP15はこちら
株主優待の実施企業増加を“単純には喜べない”理由
個人投資家に人気だが…
小売業、食料品企業などを中心に、株主優待を実施する企業が増えています。株主数の増加を通じて株価の安定化が図れる、株主に事業内容を知ってもらうきっかけになるなどポジティブな面がある一方で、公平な株主還元の原則に反する、コーポレートガバナンスの観点で問題があるといった指摘もあります。株主優待を実施する企業と実施しない企業を比較すると、実施企業の資本効率や成長性が非実施企業に比べてやや劣る傾向がみられます。短期的には株価もポジティブな反応を示しますが、長期的な影響は詳細な検証が必要でしょう。
2020年は「エドテック」元年?教育デジタル化の有望銘柄を探す
相場格言「国策に売りなし」に乗ってみる
デジタル化は今や世界的な潮流であり、さまざまな国や企業が取り組みを加速させています。日本の成長戦略でも「デジタル化」は重要なキーワードです。2020年は日本の教育業界にもデジタル化の大波が押し寄せようとしています。新しい時代を生きる子供たちに、どのような能力が必要とされるでしょうか。
最近流行りの「ESG投資」、個人投資家はどこに注目すべきか
「SDGs」との関連性は?
ESG投資に注目する投資家が増えています。ESGとは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせた言葉であり、ESG投資とは環境問題への配慮や社会性、企業統治への取り組みに優れた企業に株式投資をするものです。地球温暖化など環境への意識が社会的に高まっているのに加えて、不祥事や経営体制などの問題が発覚する企業は後を絶ちません。そうした中で、株式投資では企業の管理体制や社会貢献への意識を知り、社会的責任を意識した経営をする「良い企業」を選ぶ重要性が増しているといえるでしょう。そこで今回は、環境・社会・企業統治のESGを考慮するESG投資について考えてみたいと思います。