Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
なぜ米ドルが堅調なのか、説明しにくい理由を説明する
米国からみた為替動向を分析
米ドル円の相場は、111円台前半で推移しており(2019年3月13日執筆時点)、わが国の株式市場に一定の安心感を与えています。しかしながら、なにがこの米ドル高・円安をもたらしているかを説明するのは簡単なことではありません。
あなたの株取引も「ダークプール」を流れているかもしれない
市場での存在感は高まっている
2月19日、金融庁が主催する「市場ワーキング・グループ」の第19回議事をうけて、「ダークプールの規制を検討する」という内容の報道がなされました。その名前のイメージから株式市場の「ヤミ市」と捉えられても不思議ではない「ダークプール」、その実態はどのようなものなのでしょうか。実は2019年の時点で、既に数社の証券会社が個人投資家の注文をダークプールに取次ぐサービスを行っています。東京証券取引所の「ダーク・プールへの対応について」のデータによれば、ダークプール経由の取引はここ1年で全取引の4~5%程度を占めるようになりました。ダークプールの市場シェアは右肩上がりを続けており、今後も増加していくとみられます。場合によっては、あなたの株取引は今後ダークプールを経由するかもしれません。もしくは、すでにダークプールを通っている可能性すらあります。あなたの株取引がダークプール経由で行われた場合に何が起こるのか、その仕組みを今のうちから正しく理解しておきましょう。
今や「ポスト中国」、各国がこぞってベトナムに投資をする理由
外国直接投資が過去最高
海外からベトナムへの直接投資が増加しています。2018年の外国直接投資(FDI)実行額は、過去最高の191億米ドルとなりました。今年に入ってもFDIの勢いは衰えず、1~2月のFDI認可額は新規・拡張を合わせて33億米ドルと、前年同期に比べて58%増加しています(出資・株式取得は除く)。さらに特徴的なのは、足元の認可額の5割を香港からの投資が占めたことです。米中貿易摩擦の長期化を背景に、米国などへの迂回輸出先として、中国企業の間でもベトナムの注目度が高まっていることがうかがえます。
弱い米2月雇用統計でも、今が押し目買いのチャンスなワケ
近視眼的見通しに惑わされるな
3月8日に発表された米2月雇用統計は、非農業部門就業者数(以下、NFP)が予想中心値前月比+18万人に対し同+2万人と、極めて弱い内容となりました。市場には2019年の見通しについてネガティブな予想が広まっていますが、筆者はここが押し目買いのチャンスと考えています。それはなぜなのか、理由をご説明しましょう。
国内景気に暗雲、秋口にかけての復活シナリオを説く
鍵は電子部品・デバイスの在庫調整
国内景気に対する海外からの逆風が強まりをみせています。先般発表された1月の鉱工業生産は前月比3.7%低下と、市場予想を大きく下回りました。足元、急激な落ち込みを示している輸出動向を如実に反映した動きと捉えられますが、これで3ヵ月連続の低下となったことから、経済産業省では基調判断を「緩やかな持ち直し」から「生産は足踏みしている」に下方修正しました。産業用ロボットや半導体製造装置が減少した生産用機械工業、NANDやDRAMといった半導体メモリーなどを含む電子部品・デバイス工業の落ち込みが目立つなど、中国向け輸出の失速が直撃した格好となっています。ただ、そうしたなかで電子部品・デバイスの在庫調整が順調に進展していることは、大いに注目すべき事象と思われます。今回は、このような状況下にある国内景気の見通しについて解説します。
今、個人投資家は強気?弱気?
株価の戻りが続く中、残高が増えるETFとは
株式市場は2019年に入り戻り基調が続いています。日経平均株価でみると、1月4日に1万9,655円で取引を開始したあと、2月上旬に一時的な調整局面はあったものの、ほぼ一本調子の戻りが続き、3月4日には一時2万1,860円まで上昇しました。この間に、個人投資家の口座状況も改善してきています。信用取引を行っている投資家がどれくらい含み損益を抱えているかをパーセンテージで表した指標である、松井証券店内の「信用評価損益率」でみると、1月4日には-21.5%と極めて厳しい状況であったものが、3月4日時点では-9.4%まで改善しています。では、個人投資家は強気に転じてきたのでしょうか?
株式投資で大成功している人に共通する3つのポイント
著名投資家に直接インタビュー
筆者は以前から株式投資で成功を続けている色々な投資家の方にインタビューし、マネックス証券のお客様にインタビュー内容をご紹介してきました。筆者自身も、お話を伺ったことで大変多くの学びをいただき、その内容をご紹介したお客様からも大反響をいただきました。今回は、そんな過去のインタビューから、成功を続けている投資家の方々に共通すると感じた3つのポイントをご紹介します。
銀座に新時代到来、大規模再開発がもたらした相乗効果とは?
「グレーター銀座」の登場
「銀座」は、明治時代から高級商店街として発展してきた歴史ある商業集積地です。近年は同時多発的な大規模再開発や施設活性化を背景として、今や「グレーター銀座」とも呼ぶべき広域かつ魅力的な商業集積地が誕生したと言えます。今後も、国内外の商業集積地との立地間競合において、強い競争優位性を発揮していくと期待されます。
米中協議決着前夜、グローバル株式市場で出遅れているのはどこ?
各国市場を徹底分析
グローバルの株式市場では、悲観からの揺り戻しが続き、足元にかけて堅調な展開を見せています。1月の連邦公開市場委員会(FOMC)における当面の利上げ見送り決定や、米中貿易交渉の進展期待、さらには、決算発表の無難な通過などが相場回復を後押ししたと考えられます。日本の年度末が控える3月に入り、世界の株式市場はこのまま好調を維持するのでしょうか。米国、欧州、中国、そして日本と、順を追って状況を確認してみましょう。
為替リスクを抑えても高利回りって本当?円ヘッジ付き外債の仕組みとは
裁定取引を利用した円債代替商品
円ヘッジ付き外債というものをご存知でしょうか。円ヘッジをしない外債投資に比べて為替リスクが小さくなる一方で、世界中に投資先を探しにいくことで、同種の日本の債券(以下、円債)よりも相対的に高いリターンを獲得しようとする投資です。元本保証はないものの、円債の代わり(円債代替)として検討されることの多い円ヘッジ付き外債ですが、なぜ円債よりも相対的に高いリターンが期待できるのでしょうか。今回は、この円ヘッジ付き外債の仕組みについてお伝えします。
中国株の急騰、そのワケは?
レバレッジ縮小は先送りか
1月の中国の新規人民元建て融資や社会融資総量は、いずれも過去最高となりました。米中の貿易問題に対する楽観的な見方が浮上していることもあいまって、上海総合指数は急騰しました。
PayPay「100億円あげちゃうキャンペーン」、効果はどれくらいあった?
フィンテックアプリのトレンドはQR決済へ
金融業界は近年、ベンチャー企業の参入が相次いでいます。フィンテックによって、これまでは世の中になかったサービスが続々と生まれてきています。最近では、アリババ・グループのAlipayのようなQR決済が日本でも話題となり、メディアにも大きく取り上げられるようになりました。MMD総研が今月発表した「2019年2月 QRコード決済サービスの利用に関する調査」によると、QR決済のシェアは、楽天ペイ(9.4%)、PayPay(8.1%)、LINE Pay(7.9%)となりました。次点として、ドコモのd払いやAmazon Payが続いています。この中でもPayPayは、これらのサービスの中で最も遅い2018年10月に参入したにも関わらず、シェア2位を獲得するほどに急成長しています。おそらく皆さんもご想像されている通りかと思われますが、その要因はPayPayが2018年12月に実施した「100億円あげちゃうキャンペーン」にあるといえるでしょう。SNSでの拡散やマスコミの報道が相まって一躍話題になり、キャンペーンは開始からわずか10日間で終了しました。また、現在は利用条件を変えた「第2弾100億円キャン
中国の自動車市場が“冬の時代”へ、残された成長余地を探る
消費喚起政策効果より構造的変化に注目
昨年、中国の新車販売台数は前年比2.8%減の2,808万台と前年割れになりました。28年連続で拡大してきた世界最大の自動車市場に変調の兆しが表れています。中国の自動車市場で今、何が起こっているのでしょうか。
「織り込み済み」が狙い時?投資タイミングの見極め方
市場予想に注目
昨年10月から12月にかけて、グローバル株式市場は大きく調整しましたが、年明け以降、落ち着きを取り戻しています。背景として、米中通商交渉の進展期待が高まってきたこと、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策に対して柔軟な姿勢を見せたことで市場に安心感が広がったこと、が挙げられます。しかし、投資家が気にしていた企業業績の先行き懸念が解消されたわけではありません。にもかかわらず、株価が堅調な動きを示したのは、業績の厳しさは「織り込み済み」だったからといわれます。今回は、この「織り込み済み」とは何なのか、そしてそれを投資に活かすにはどうしたらよいのかをご紹介します。
地震に強い国へ、国土強靭化に向けた公共投資が拡大
防災関連の企業に追い風
昨年は大阪北部で発生した震度6弱の強い地震、西日本豪雨、北海道地震など、大規模な自然災害による被害が相次ぎました。被害を受けた空港や河川、病院、電力などの重要なインフラを補修するために、政府は2018年度から2020年度までの3年間で3兆円を超す対策を行う方針を固め、2019年4月から始まる2019年度の当初予算ベースの公共事業関係費は前年度と比べて16%増の6.9兆円と10年振りの高い水準に増加しています。今回は2019年度に拡大する公共投資で重点が置かれる国土強靭化政策と関連企業をご紹介します。
市場はグロース株復活を待っている
グロース/バリュー指数の再比較
前回記事(「相場のことは相場に聞け、マーケット指標を見比べてみよう」)では、TOPIXグロース指数、同バリュー指数、東証配当フォーカス100指数を比較して、2018年は株価が下落したものの、下落局面によく見られるディフェンシブ指向が見られないと紹介しました。それから約1ヶ月経ちましたが、トレンドに変化は見られるのでしょうか。前回と同じ指数の年明けからの推移を比べ、さらに今回は過去10年間と比較してみたいと思います。
「バブル後最高値」の更新も?ようやくエンジンがかかり始めた日本株
足元が冴えない理由を探る
前回の記事(「底入れした株式市場は高値を取り戻せるのか?」)では、米国のダウ平均が半値戻しを達成したタイミングで「半値戻しは全値戻し」という相場格言をご紹介しました。その後もダウ平均は力強く戻り歩調を辿って、昨年秋から急落した分の8割以上を取り戻しています。あと3.6%上昇すれば再び史上最高値更新、まさに「半値戻しは全値戻し」という格言を地で行く相場展開になっています。それに引き換え、日経平均の戻りの鈍さが際立ちます。先週は2営業日で800円も上昇する場面があったり、今週に入って昨日まで3連騰と、ようやくエンジンがかかってきた感はありますが、それでも昨年秋の高値からの下げ幅に対して半分も戻せていません。
IPOの傾向から見る、日本の産業構造の変化とは?
近年のIPO傾向分析・後編
2018年の株式市場は、日経平均株価がバブル後最高値を更新した一方、年末には一時2万円を割るなど波乱の展開となりました。そして昨年の株式市場で忘れてはならないのがIPO(Initial Public Offering=新規株式公開)です。前回記事では、近年IPO銘柄数は比較的横ばいで推移するも、1社あたりの調達金額が少額化の傾向にある点をご紹介しました。後編の今回は、なぜ1社あたりの調達金額が少額化しているのかを中心に、近年のIPO銘柄の特徴についてご紹介します。