2021年に日経平均株価は3万円になると予想する理由
日本株がバブル崩壊後最高値更新
日経平均が2万6,000円台まで上昇しています。1991年以来29年ぶりの高値です。読者の中には、この価格が見たこともない高値に映る方もおられるでしょう。では、29年前はどのような状況だったのでしょうか。当時の世相を振り返りながら、来年の株価について考察してみましょう。
「鬼滅の刃」と「Go To」効果で景況感が大幅改善!7~9月期の実質GDP成長率も大幅な伸びに
感染対策と経済活動の両立が必要
2020年7~9月期の実質GDP成長率は前期比年率+21.4%(第1次速報値)と、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前期比年率▲28.8%と大幅なマイナスになった4~6月期の反動もあり、大幅な伸び率になりました。現行統計(2011年基準)で遡れる1980年4~6月期以降で最大の伸び率になりました。7~9月期の名目GDP季節調整値は531.1兆円で、4~6月期の504.6兆円からは戻したものの、直近ピークだった2019年7~9月期の557.8兆円と比べると依然26.7兆円低い水準です。11月10日に発表された10月の景気ウォッチャー調査では、現状判断DIが54.5と景気判断の分岐点である50を上回りました。「良くなった」という回答が多かったことを意味します。
日本の財政政策は世界トップクラス、日本経済回復の支えとなる第三次補正予算に期待
Go Toも景気回復に寄与
日本の7~9月期の実質GDPは前期比年率+21.4%と、現系列で過去最高の成長となりました。全国的な緊急事態宣言などを受けて4~6月期の実質GDP成長率は前期比年率-29%と、これまでの史上最悪だったリーマンショック時(-18%)を大きく更新する落ち込みとなりましたが、そこから急回復を遂げています。<文:ファンドマネージャー 山崎慧>
株価高騰の今、大損しないために自分に言い聞かせたいケインズの名言
すべての銘柄が好調ではない
株式投資で利益を出すには、どのように投資銘柄を選ぶかが重要です。「株価指数」に連動する投資信託を買うという選択肢もありますが、投資をして株価が上がらないとつらいもの。今、米大統領選挙が終わってから株価が大きく上昇していますが、全ての株価が上昇しているというわけでもありません。大きく上昇している銘柄がある一方で、大きく下落している銘柄もあるという状況です。前回お話したように、自分が持っている株だけが上昇しないと悲しくなります。ウォール街での相場格言の一つで、ケインズという経済学者が述べた言葉に、「株式投資は美人投票のようなものだ」というものがあります。この意味と対処法を考えてみます。
米大統領選結果混迷、ドル円市場の見通し 注目のバイデン政策は?
米10月雇用統計は大幅改善
筆者は前月の記事で、「私から、読者の皆さんにお伝えしておきたいことは一つだけです。『米国時間11月3日(日本時間4日)に米大統領選の結果は判明しないことはほぼ確実であろう』ということです」と記しました。そして、米10月雇用統計発表時点(米国時間11月6日午前8:30)で、米大統領選の結果は出ていません。ただ、今年の米大統領選の激戦州となったミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州、アリゾナ州、ネバダ州、ジョージア州での開票速報で、ミシガン州とウィスコンシン州、アリゾナ州、ネバダ州で一部報道機関がバイデン候補当確速報を出しています。ペンシルベニア州(期日前投票の開票継続中)でのバイデン氏リードが伝わる中、市場観測は「バイデン氏勝利かな?」程度には傾いていたかもしれません。
決着はいつ?大接戦となった米大統領選挙と米株式市場の行方
高まる金融財政政策の重要性
11月3日に行われた米国大統領選挙では、接戦州のうちフロリダ、テキサス、オハイオ、アイオア州などでトランプ大統領が勝利しました。バイデン候補が大きく勝利するとの事前の主要メディアの世論調査を覆し、トランプ大統領再選の可能性が一時高まりました。翌4日には、ラストベルトで同様に大接戦となっていたミシガン、ウィスコンシンにおいてバイデン候補の得票が伸びたことで、バイデン候補が再び優位になっています。接戦となっているネバダ州の結果次第の状況ですが、僅差となったミシガン、ウィスコンシン州の集計見直しをトランプ大統領は要求する意向を示しています。そして、事前の郵便投票の集計が行われていなかったペンシルベニア州の結果判明にはまだ時間がかかりますが、どちらが勝利してもおかしくありません。本稿を執筆している5日朝方時点でも、依然決着には至らない歴史的な大接戦になりました。
米大統領選後の株式市場を予想!好調の米中、不安定な欧州、日本市場はどうなる?
来年に向けて一段上昇するか
10月以降の世界の株式市場では、方向感のない相場展開が続いたあと、月末にかけては軟調に推移しました。足元の景気は堅調に推移する一方で、米国での大統領選を巡る不透明感や、欧米での新型コロナの感染再拡大などが、市場参加者の警戒感を強めたと考えられます。株式市場がいよいよ2020年の終盤に差し掛かるにあたり、相場の転換点となりうるのは、やはり11月3日の米大統領選でしょう。市場では「どちらが勝った場合に株価はどう動くか」といったシミュレーションが盛んですが、4年前の教訓から、場合によっては市場の反応が予期せぬものとなり得る、と身構える投資家も少なくありません。現時点で言えることは、大統領選通過に伴う不透明感の払拭は、結果はどうであれ、市場ではポジティブに捉えられやすいということです。選挙の泥沼化だけは避けたいと考える市場参加者は多いと推察されますが、それがない限りは、新政権への期待などを背景に相場は好転に向かうことが予想されます。
今後の景気はどうなる?政府・日銀の「景気調査ザッピング」のすすめ
複数比べることで見えてくるもの
新型コロナ感染症は、私たちの生活を大きく変えています。足元では、緊急事態宣言、外出自粛、在宅勤務などの日常行動を制限するような動きは若干縮小し、GoToトラベルをはじめとする景気刺激策が取られるなど、一時よりは普通のくらしが戻ってきているように思われますが、実際に私たちの生活はどうなっているのでしょうか。そして、先行きはどうなっていくのでしょうか。そうした景気の状況を詳しくみるためには、政府や日銀の景気調査をみることが近道になりますが、一つだけでなく複数の調査を比べてみる「景気調査ザッピング」によって、いろいろなことがより深く、より鮮明にみえてきます。
仏版“Go To トラベル”の結果、経済と感染状況はどうなったか。世論調査では意外な結果が
一日の感染者数5万人超え
Go Toトラベルキャンペーンが盛況です。10月からは東京を発着する旅行も加わり、新型コロナウイルスの感染拡大により停滞していた観光業の押し上げが期待されています。Go To トラベル、Go To Eatなど一連の「Go Toキャンペーン」については、当初は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべきとの意見の高まりから、当初の予定から後ろ倒しで実施されました。「感染防止」と「経済活性化」のどちらに重点を置くのか、今も日本を含め世界中で議論は続いています。各国が試行錯誤する中、今夏、経済を回すことに舵を切った国の一つがフランスです。今夏、フランスの観光は、コロナ禍でどんな影響を受けたのでしょうか。
NYダウは約1万ドル上昇、トランプ政権4年間の株価を振り返る
米大統領選間近!
10月に入り、4年に1度の米国大統領選への注目は日に日に高まっています。2017年から始まったトランプ政権下の4年間は、米中対立の激化をはじめとする反グローバリズムの動きが高まり経済への悪影響もありました。一方で大規模な減税政策など経済刺激策も目立ち、結果として米国株式市場は大きく上昇しました。実際に、トランプ大統領の当選が決まった2016年11月9日の終値はNYダウが1万8,589.69ドル、ナスダックが5,251.07ポイントであったのに対し、2020年10月20日現在ではNYダウは2万8,308.79ドル、ナスダックは1万1,516.49ポイントと大幅に上昇しています。大統領選を前に、トランプ政権下の4年間のマーケットの動きについて振り返ってみましょう。
「米大統領選後は株高」相場のジンクスは今年もあてはまるのか
勝利政党によって差はあるのか
11月3日は我が国の景気や株価の行方まで大きく左右する米国の大統領選挙が行われます。再選を目指す共和党のトランプ大統領ですが、事前の世論調査では新型コロナの感染拡大やそれに伴う景気後退、そして黒人男性の死亡事件に起因する混乱から支持率を下げています。民主党の候補である前副大統領のバイデン氏が優勢と見られていますが、“隠れトランプ支持者”も多いと言われ、世論調査そのままの結果から大統領選の予測は難しいとされています。既にマスコミ各社は、大統領選の勝利予測や、その後の政策や景気への影響はどうなるか様々な予想をとりあげています。増税を計画するバイデン氏が勝利すると株式市場にマイナスと見られており、現状では“トランプ株高・バイデン株安”が多くの投資家の見方になっています。そこで今回は、視点を変えて“株のジンクス”から大統領選と株価との関係を紹介します。ちなみに株のジンクスのことを業界では“アノマリー“と呼んでいます。
大相撲、半沢直樹、自殺者数、地価…統計データで見る日本の現在地
景気拡張局面に入ったか
最近の経済統計を見ると、水準は低くても改善傾向続くものが多く見られています。また、景気と密接な関係がある身近なデータでも同様な現象が見られます。拡張、後退という景気局面の判断は水準ではなく方向性で決まるので、足元は景気拡張局面に入っている可能性が大きいと思われます。今回は、景気改善傾向を示唆する身近なデータをご紹介した後、10月上旬に発表された8月分景気動向指数・速報値と9月調査の景気ウォッチャー調査のデータを詳しく見ていきます。さらに、新型コロナウイルスの影響と思われる様々な数値についても取り上げ、日本の今に迫ってみたいと思います。
バイデン民主党完全勝利なら株暴落も!?米大統領選に市場関係者が身構える理由
党内左派の勢いに警戒
11月3日に米大統領選挙が実施されます。民主党は、2016年に共和党が勝利したミシガン、オハイオ、ウィスコンシンなどのいわゆるラストベルトや、トランプ大統領の在住地であるフロリダなどの接戦州でいずれも選挙戦を有利に進めており、賭けサイトではバイデン候補の勝利確率が70%を上回っています。バイデン候補が勝利した場合、株式市場にはどのような影響があると考えられるのでしょうか。
新型コロナ、景気低迷が続きそうな東南アジア諸国の個別事情
二極化が鮮明に
新型コロナウイルスについて、第2波に対する警戒感が強まっている国と、着実に回復に向かっている国との二極化が世界的に鮮明になってきました。アジアでいえば、比較的経済正常化が目立つのが、中国、台湾、タイ、ベトナムなど。一方で、悪化が目立つのは、インドネシア、フィリピン、インドなどです。そのなかで、景気低迷が目立つ国々を中心に、現状と見通しを考えてみたいと思います。
テスラ急落もEV市場拡大は続く?来年には月1充電で走れる高性能バッテリーも
コロナ経済対策が追い風、価格は低下
9月に入り、電気自動車(EV:バッテリーのみで駆動する自動車)メーカーである米テスラの株価が急落しました。急ピッチに上昇していたところにS&P500指数採用見送りなど悪材料が重なったことが原因のようです。しかし、テスラをはじめとしたEV市場の普及拡大が加速する下地は整いつつあるといえます。大和証券キャピタル・マーケッツ(大和証券CM)では、30年の世界のEV市場を1,817万台と従来予想である1,393万台から上方修正しました。
“ラニーニャ現象発生”で株価はどう動くか
寒い冬に向けての株価の動き
先月、気象庁から世界的な異常気象の原因となる“ラニーニャが発生したとみられる”との発表がありました。ラニーニャは南米ペルー沖の海面水温が低くなる現象です。この冬にかけてラニーニャが続く可能性は70%と高い確率になるとのことです。ラニーニャが発生すると、日本の気候はどのように変化するのでしょうか。南米ペルー沖の海面水温が下がるのと対照的に、フィリピン近海の海面水温が上昇します。すると水蒸気が増えて雲が多く発生し、日本では雨の日が多い秋となります。さらに冬にはシベリアからの冷たい空気が流れ込みやすく、寒冬の傾向があります。気象の変動は人々の生活に影響を与えるものですから、このラニーニャも経済、そして株価の動きを左右するようです。今回はラニーニャと株価の関係を取り上げます。
菅政権の規制改革は歴代政権と何が違うのか
シングルヒット量産型
今週29日は9月中間期末の配当権利落ち日でした。この日の日経平均は150円弱の配当落ちを受けて反落して始まりましたが、徐々に下げ幅を縮めると最後は小幅高で取引を終えました。配当落ち分を埋めきったということです。配当落ち分を即日埋めるのは相場が強い証拠といいます。背景にはやはり菅政権への期待があると考えられます。菅政権への期待とは規制改革が進むという期待です。
“平均寿命が過去最高”でも長生きが怖い…加齢や病気に対して、不安や嫌悪感が増している?
「健康寿命」を長くするのが人々の願い
7月末に厚生労働省から「2019 年簡易生命表」が公表され、平均寿命が男性81.41歳、女性87.45歳と、過去最高を更新したことがわかりました。しかし、このことを不安に感じる人の方が多いようです。平均寿命が延びても、「健康で生きている期間」が延びなくては、ありがた味がないというものです。高齢期における生活や、健康状態への不安は大きく、健康で生活できる期間を長くすることが人々の願いとなっています。「健康寿命」は、最近よく聞かれる言葉です。国では、健康寿命を「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義して政策を行っていることから、ここでも同じ定義を使って健康寿命の現状について紹介したいと思います。