個人向け国債は本当にローリスクなのか? お金のプロが仕組みをわかりやすく解説してみた
個人向け国債がローリスクで人気な理由とは
国債は国が発行し、元本と利子の支払いを国が保証してくれるため、信用度が高く手堅い金融商品のひとつです。国債とは借り手の国側が債務者、貸し手側である個人や民間企業などが債権者となり、定期的に利子が支払われ、満期になると元本が戻ってきます。直近では、コロナショック時の財政出動や、日本銀行が国債を大量に買い入れ、長期金利の大幅上昇を抑制する「連続指値オペ制度」などにより一層注目を集めるようになりました。本稿では、個人投資家が買える一般的な国債、「個人向け国債」がローリスクである理由について解説します。
投資信託の繰上償還は正しいのか
金融コラム(1)
多くの投資信託は「償還」のための期間が定められています。1980年代後半のバブル経済ピーク時には、大半の投資信託が「単位型」といって、信託期間中の追加設定が認められていないタイプでした。つまり一度、運用がスタートすると、同一の投資信託を買うことが、原則として認められていなかったのです。そして、単位型全盛だった時期の信託期間は最長5年で、そのうち当初2年間を「クローズド期間」としたものでした。クローズド期間というのは、ファンドの運用がスタートした段階で多額の解約が生じると、安定したポートフォリオを構築できなくなるリスクがあるため、中途解約を禁止する期間のことを指しています。クローズド期間によって2年程度、資金が動かせなくなるため、投資信託を購入したがらない投資家も大勢いました。
値上げを余儀無くされている電力会社、電気料金の値上げ以外にも考えられるシナリオ
決算は軒並み赤字に転落
オール電化にお住まいの方には耳の痛い話ですが、12月1日(木)からまた電気代が値上がりとなりました。かれこれ10数年前に政府主導で推し進めたオール電化政策が、東日本大震災によって明らかに間違えであった事が明るみ出ています。2022年に入り、ロシアのウクライナ侵攻や円安進行による原材料価格高騰から、電力会社の決算は軒並み赤字に転落し、値上げを余儀無くされている状況です。さらに来年、2023年4月からはこれまで以上の値上げが行われます。
歴史的円安は151円で終わったのか−−トレンド転換を見極めるコツとは?
過去のトレンドから客観的に判断する方法
10月に1990年以来約32年ぶりに1米ドル=151円まで米ドル高・円安となりましたが、11月以降は一時140円を大きく割り込むほど米ドル安・円高に戻しました。歴史的円安は、あの151円で終わったのでしょうか?為替相場の継続的な動きを「トレンド」と呼びますが、円安から円高へのトレンド転換も、後から振り返ったら「あの時が転換点だった」といった具合に、基本的には事後的にしか分かりません。ただそんな転換点の見極めは、なるべく早い方がよいでしょう。そこで、今回はトレンド転換の見極め方について考えて見たいと思います。
投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産総額が1. 5兆円を突破−−人気の背景は?
S&P500への投資の特徴4つ
2018年7月3日(火)に設定された投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産総額(残高)が、初めて1兆5,000億円を突破したと報じられました。2022年2月10日(木)に残高1兆円を突破し、9月8日(木)に残高が1兆5,131億円を突破しています。マーケットがウクライナ侵攻やインフレなどの影響をうけるなかでも資金流入が極めて堅調であったといえ、残高もしっかり増えている状況です。今回はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の詳細と人気の背景、またS&P500へ投資することの特徴についてお伝えします。
もしも金融機関が破綻したら…財形貯蓄・企業型DC・iDeCo利用者は要注意。見落としがちなペイオフ対策
資産運用と同じくペイオフ対策は重要
金融機関が破綻した場合、定期預金や普通預金などは一定額の保護があることはご存じの人も多いことかと思います。では、財形貯蓄や確定拠出年金などの制度で定期預金などを利用しているケースはどのような扱いになるのでしょうか。特に50代後半からリタイア前後の期間は人生で一番お金を持っている時期かもしれません。しっかりとペイオフ対策を行なっておきたいところです。
企業型DC、加入したまま放置で損をしていることも…加入後に取るべき行動、判断基準をお金のプロが徹底解説
お金が増える状態にしたうえで放置がよし
みなさんの会社には、企業型確定拠出年金(企業型DC)の制度はありますか?そもそもこの制度が会社にあること自体わからなかった方や、企業型DCに加入したのは覚えているけれどそのままにしている方は、せっかく老後資金作りに適した制度が利用できるのに、うまく活用できていない可能性があります。今回は企業型DCでチェックしておきたいこと、これから取るべき行動、そして老後資金を上手に用意するための判断基準を解説します。
弁護士、公認会計士、投資家…肩書を広告塔にする投資詐欺
資産運用詐欺から自分の資産を守る法(3)
前回、旬を過ぎた芸能人が資産運用詐欺の広告塔に利用されるという話を書きました。ただ最近は、著名人を広告塔にするのではなく、「肩書」を広告塔にするケースも増えています。その一例を紹介しましょう。
保険で貯蓄は本当に効果的? 月々の積立貯蓄に保険を利用するメリット・デメリット
保険と貯蓄は切り離して考える
年末調整のシーズン、加入中の生命保険会社から生命保険料控除のハガキや封筒が手元に届いていることでしょう。このタイミングで、自分の保険を再確認する人も多いのではないでしょうか。加入中の保険の中には、掛け捨てだけではなく積立貯蓄を目的としたものもあることでしょう。今回はこの保険で積立貯蓄した場合のメリット・デメリットについて解説します。
ソフトバンクGが行った大規模な自社株買いの効果は?投資家が覚えておきたい注意点
自社株買いを行う企業が増加している背景とは
今回の決算発表も無事終了しました。前回に引き続き目立ったのは決算発表時に自社株買いを公表した企業の多さです。自社株買いについては2022年6月13日配信の記事をご参照ください。11月18日(金)の日経新聞によると、上場企業の2022年の自社株買いが過去最高となる見通しとの報道があります。記事によると11月中旬までの取得枠の設定が9兆円を超え、年間ベースの過去最高(2006年の8兆5,000億円)をすでに上回ったとありました。
なぜ米ドルは急落したのか?超円安の「日銀犯人説」や「構造説」の誤解
過去のデータで読み解く為替相場にある真理
米ドルは、11月10日(木)に発表された米10月CPI(消費者物価指数)をきっかけに、一時140円を割れるまでの急落となりました。10月に、1990年以来、約32年ぶりの150円を越える米ドル高・円安となった時には、「新たな円安時代」においてまだまだ通過点のような論調も少なくありませんでしたが、ちょっとムードが変わったのではないでしょうか。しかも、それは日銀の金融緩和が不変の中で起こったということも、じつは重要だったのではないかと考えます。今回は、記録的な「超円安」が展開する中で広がった、日銀の金融緩和が主因だといった指摘、構造的な円安なのでまだまだ続くといった考え方などは、やはり「間違い」だったのではないかといった視点で再検証してみたいと思います。
芸能人を起用していることだけで安心してはいけない。詐欺事件を起こした、名もない投資会社が1300億円も集められたワケ
資産運用詐欺から自分の資産を守る法(2)
これから増える恐れがある「資産運用詐欺」。一度、お金を出したら終わりです。少なくとも全額が戻ってくることは、ほぼありえません。騙されないようにするための注意点を、これから数回に分けて説明していきます。
成功者と思われた「FTXグループ」はなぜ破綻したのか? 倒産の理由と金融市場への影響を解説
その本質は、金融の歴史で繰り返されてきた問題
2022年11月に入って「FTXグループ破綻」というニュースが暗号資産市場を一気に駆け巡りました。日本ではプロ野球選手である大谷翔平選手のスポンサーになっている暗号資産取引所として知っている方もいると思います。米国ではコインベースの次にナスダックへ上場するのではないかと期待されるほど大注目の取引所でした。そんな世界でも有数の暗号資産取引所が瞬く間に破綻申請するに至り、またしても大きなお金が暗号資産市場から失われました。これを受けて暗号資産に対する悪い印象が強まることが予想されますが、事件の原因を理解することなく、暗号資産だからこその問題だと受けとるのは安易でしょう。今回は成功者と思われたFTXグループがなぜ倒産したのか、それによって今後の暗号資産市場へどのような影響が及びうるのかについて、できるだけ中立的な目線で解説します。
資産にも大きな開き…金融リテラシーが高い人と低い人の違いとは? 初心者が知識を身につける方法をお金のプロが解説
数多くの情報から何を選ぶか
「金融リテラシー」という言葉を聞く機会が増えました。さて、あなたは金融リテラシーがある方でしょうか。それとも、あまりない方でしょうか。世の中にはお金の情報があふれるほどあり、いつでもアクセスできる時代です。ですが、そもそも金融リテラシーがないと、いくら情報を収集しても、怪しい情報をつかんでしまう危険性もあるため注意が必要です。今回は金融リテラシーが高い人と低い人の違いや、金融リテラシーをつけるにはどうしたらよいかについてお伝えします。
トヨタやNTTが出資する新会社、次世代半導体の量産化を発表−−背景にある米国の日本に対する姿勢の変化
米中の技術覇権対立で日本企業に期待すること
政府は11月8日(火)、2022年度第2次補正予算案を閣議決定しました。総合経済対策は「物価高・円安への対応」などを重点分野に掲げ、経費として29兆861億円を確保しました。「物価高騰・賃上げへの取り組み」に7兆8,170億円、「円安を生かした地域の『稼ぐ力』の回復・強化」に3兆4863億円、「『新しい資本主義』の加速」に5兆4,956億円などが含まれています。
デジタル庁が立ち上げた、新しい組織の形「DAO」って何? 社長のいない株式会社といわれる理由と問題点
労働のあり方を変化させる可能性も秘めている
日本のデジタル庁は、政府が掲げる「デジタル社会の実現に重点計画」において「ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)の利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備」が盛り込まれたことを踏まえ、今年10月からWeb3.0研究会を週次で開催しています。今月2日には第5回目となるWeb3.0研究会が開催されました。そのなかで参加者からの提案に基づいて独自のDAO(分散型自律組織)を設立する方針が発表されました。行政の立場として自らDAOに参加することによって、DAOがもつ課題や可能性を認識し、今後の研究会の議論に活かすことが目的とのことです。このニュースはデジタル庁の先進的な取り組みとしてメディアでも紹介されていますが、内容を読んで「DAOってなに?」と思われた方も少なくないでしょう。DAOはDecentralized Autonomous Organizationの略で、その日本語訳である分散型自律組織と聞いてもまったく仕組みがわかりません。そこで今回は新しい組織の形として注目されるDAOについて解説します。DAOとはどのように運営される組織なのでしょうか。また、私たちはどの
AIができること、人間にしかできない仕事…テクノべート時代の考え方
MBA 2030年の基礎知識(2)
現代のビジネスパーソンにとってITリテラシーが必須となったように、求められるスキルや知識は時代によって変わっていきます。この先の時代に向け、どのようなことを身につけていくべきなのでしょうか?ビジネススクール「グロービス」による著書『MBA 2030年の基礎知識100』(PHP研究所)より、一部を抜粋・編集してテクノべートの時代に変わること・身につけるべきことについて解説します。
2030年に向けて起こるメガトレンド−−予想される新たな巨大市場とは?
MBA 2030年の基礎知識(1)
現代のビジネスパーソンにとってITリテラシーが必須となったように、求められるスキルや知識は時代によって変わっていきます。この先の時代に向け、どのようなことを身につけていくべきなのでしょうか?ビジネススクール「グロービス」による著書『MBA 2030年の基礎知識100』(PHP研究所)より、一部を抜粋・編集して2030年に向けて起こるメガトレンドについて解説します。