今さら聞けない「株主優待」のキホン、何がそんなにいいの?
株主優待はただの”オマケ”にあらず!
「株主優待」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。株主優待で生活することで有名な桐谷広人さんがテレビ番組に出演したことで、知名度が大きく高まりました。株主優待というと「あくまでオマケ」というイメージが強いと思います。たしかに株式投資の目的は値上がり益や配当を受け取ることによって自分の資産を増やすことですから、たくさんの株主優待をもらったとしてもその銘柄の株価が大きく下落してしまっては元も子もありません。ですが、株主優待は株価の値上がり・値下がりにも大きく影響するとても重要な投資のファクターです。今回は「株主優待はただの”オマケ”にあらず!」というテーマでご説明していきます。
資金30万、投資信託の保有銘柄数はいくつが適切?
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。NISA口座を開設して投資信託に挑戦したのですが、あまりに商品の種類が多く、何をどれくらい買っていいのかわからず、とりあえず証券会社のおすすめや雑誌のおすすめを買ってみたら12銘柄くらいになってしまいました。今後はつみたてNISAへ移行して、長期保有で運用していくつもりですが、さすがに12銘柄はやりすぎでしょうか。スタート資金が30万円で、毎月の積立額が3万円くらいの予定だと何銘柄くらいが適正でしょうか。ちなみに投資先は国内50%、海外50%(アメリカ20%、アジア30%)です。〈相談者プロフィール〉・男性、40代前半、既婚(妻:会社員)、子供1人・職業:会社員・世帯手取り年収:820万円 (夫:420万円、妻:400万円)・預貯金:500万円・学資保険:400万円(18歳満期)・終身保険、個人年金保険ともに夫婦それぞれ加入・借入なし
国慶節まっただ中、日本株と中国の長期休暇の意外な関係
関連銘柄に追い風は吹く?
10月1日は中国の建国記念日。この日から約1週間が国慶節という、春節(旧正月)と並ぶ大型連休になります。毎年、この時期には中国からの観光客の様子が話題となります。国務院が発表した2018年の国慶節は1日から7日までの7日間。直前の土日も合わせると、9連休にもなります。日本でいえばゴールデンウィークのような大型連休ですから、たくさんの人が海外旅行に出かけ、日本にも多くの観光客が訪れるわけです。となると、インバウンド消費で注目される企業や業界には、恩恵が大きいと考えられます。それなら国慶節が終わった週明け(日本市場は8日が体育の日の祝日であるため9日)での投資タイミングを考えて、インバウンド関連に投資した場合には、高い収益が期待されるかもしれません。
日経平均株価の上昇は、この先もまだ見込めるのか
2万4000円をめぐる攻防
日経平均株価が膠着状態を抜け出し、一時2万4,000円超の水準まで上昇しました。そこで今回は、これから先も今以上の水準に上昇するかについて、私の見解を述べさせていただきます。
そろそろ始めてみませんか?イチから学ぶ株式投資
好きな企業を見つけることが投資の第一歩
「将来のことを考えて、そろそろ投資をしてみたい。でも、何から始めていいか分からない」最近、そんな女性たちからの声をよく聞きます。興味はあるけれど、お金の話を人に聞くのは、少し気が引けるという方も多いことでしょう。今回は株式投資のキホン、「気になる会社はどうやってみつけたらいいの?」という疑問についてお話しします。
売買単位100株統一!個人投資家のメリット・デメリット
上場株、全国の取引所で一本化
10月1日から全国の証券取引所において、売買単位が100株に統一されました。2007年11月に公表された「売買単位の集約に向けた行動計画」に基づき、上場内国株券の売買単位を100 株に統一するための取組みが進められ、ついにこの秋からスタートとなりました。今回は、この売買単位の統一に対して、証券取引所や株式を上場している企業、そして金融機関はどのような期待をしているのか。そしてなにより、個人投資家にとってはどのような影響があるのかを考えていきたいと思います。
なぜ株式を保有すべきか?「厳選投資」の魅力とは
イベントレポート
2018年8月25日、人生100年時代に向けた長期資産形成を学ぶをテーマに開催されたイベント「資産形成1DAYスクール2018」。本イベントでは「貯蓄から資産形成へ」の第一歩として、お金の最新情報や制度、効率的なお金の増やし方を著名ファイナンシャルプランナーが中立的な視点でわかりやすく解説しました。また、資産形成とは具体的に何をするのか知りたい・話題のiDeCoやNISA、つみたてNISAの特徴や違いメリット・デメリットを知りたいなどのニーズに応えたセミナーが多数開催されました。その中から本記事では、スパークス・アセット・マネジメント株式会社チーフ・エコノミストの清水孝章氏によるセミナー「なぜ株式を保有すべきか?~「厳選投資」の魅力とは」をご紹介します。
ノーベル賞で急騰した「小野薬品」の株価が伸び悩んだワケ
影を落とす開発現場の苦悩
京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授が10月1日、ノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まりました。本庶氏は、人間の体を守る「免疫細胞」の働きにブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見しました。そのブレーキを取り除くことで、がん細胞を攻撃する「がん免疫療法」の開発につなげた功績が高く評価されました。本庶特別教授らの研究チームが小野薬品工業と共同開発した免疫チェック阻害剤「オプジーボ」(免疫細胞の働きにブレーキをかけるのを阻む薬剤)は、がん治療に新しい切り口を開き、がん治療分野で出遅れていた日本の面目躍如となりました。本庶氏の受賞を受けて、翌2日の東京株式市場で、小野薬品の株価は一時、前日比220円高の3,430円まで買われました。ところがその後、戻り売りが出て、終値は同98円高の3,308円となりました。株価の伸び悩みからは、日本の医薬品開発現場の苦悩が見て取れます。
四季報マニアが語る「有望銘柄は“利益のカタチ”で探せ」
いちよし経済研・張谷幸一氏に聞く
どの金融機関にも1人は存在するという「四季報マニア」を取り上げてきた、この連載。過去2回は、アプローチこそ違うものの、『会社四季報』を愛してやまない愛好家たちに四季報愛を語ってもらいました。しかし、3回目の今回は「私は四季報愛好家ではありません」と断言する四季報マニア。銘柄発掘のため、会社の役に立つため、四季報を10年間読破し続けているという、いちよし経済研究所の張谷幸一・企業調査部長です。四季報といえば、数字や文字が詰め込まれていて、なかなか手が出しづらいと考えている個人投資家にとって、仕事のために仕方なく目を通している張谷部長の読み方は参考になる部分が多いかもしれません。愛好家ではない四季報マニアは、会社四季報をどう読み込んでいるのでしょうか。
月5万円貯めるなら、お金のプロは現金、株、投信…どう組み合わせる?
リスク分散の方法をFPが配分してみると
1カ月5万円を貯めたいと思ったらどうしますか?貯蓄をするにも、さまざまな方法があります。現金で持っていることもできますし、株式などに投資をする方法もあります。それぞれにメリットとデメリットがありますが、どのような組合せにしておくのがいいのでしょうか。それには、自分の「リスク許容度」を知ることが大切です。言葉だけ見るとわかったようでわかりにくいですが、要は、いくらまで損することを許容できるかです。投資は、預貯金よりも資産を増やす可能性がある反面、減らしてしまうリスクも。自分がどの程度リスクをとれるのかによって、投資にまわす資金の配分や投資先を判断することになります。では、具体的にどのような組合せがオススメか、リスク許容度に応じた組合せを紹介します。
収入が先細る50代夫婦、老後に備えた運用方法が知りたい
FPの家計相談シリーズ
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横田健一氏がお答えします。海外赴任から帰国後、会社員の夫の手取り収入は半減してしまいました。フリーで働いている私も仕事が激減しています。収入が先細りする中、老後に向けた効果的な資産運用の方法や、理想的なポートフォリオについて教えて下さい。 現在は、資産のおよそ10%をつみたてNISA、AIによるETFの積み立て、外国債券、金現物で保有しています。〈相談者プロフィール〉・女性、52歳、既婚(夫:53歳)、子どもなし・職業:個人事業主・住居形態:持ち家(戸建て)・手取りの世帯月収:28万円・毎月の支出目安:25万円・総資産:6,200万円
台風“当たり年”で加速?「無電柱化」関連の注目4銘柄
雨風吹いて政策は固まるか
日本列島を縦断する形で、相次いで上陸している大型台風。9月30日午後8時頃に和歌山県に上陸した台風24号は、列島各地に深い爪痕を残していきました。大阪北部に住んでいる私は昨晩、枕元にしっかりと懐中電灯を用意して眠りにつきました。幸い、わが家は停電にならなかったのですが、多くの地域で停電が発生したようです。9月初旬に関西を襲った台風21号でも、広い範囲で電柱が倒壊して停電が発生。関西電力によると、今回の台風で停電したのは近畿など2府6県の延べ219万戸で、同電力管内では1995年の阪神・淡路大震災以来の規模だったそうです。関電管内の電柱は約270万本で、主に風速20~40メートルに耐えられるように設計されているのですが、台風21号の最大風速は各地で40メートル以上を観測。想定を上回る強風と飛来物の影響などで約800本の電柱が倒れ、大規模な停電を招いたのです。電気や通信というライフラインを担う重要な社会インフラでありながら、電柱は地震に対する脆弱性などがかねてから指摘されてきました。今回は“風の強い”台風対策という新たな課題が浮き彫りになりました。
四季報マニアが語る「初心者向け“脱バフェット流”投資術」
フィナテキスト・古田拓也氏に聞く
各金融機関に1人は存在するという「四季報マニア」に『会社四季報』の読み方を聞いていく短期連載。第1回は、風呂場にまで四季報を持ち込むという“古き良き”タイプのマニアの読み方をご紹介しました。第2回は、24歳の若さで株取引歴6年という、いわば“新世代”の四季報マニア。新興フィンテック企業Finatext(フィナテキスト)でコミュニティ型株取引プラットフォーム「ストリーム」の設計などに携わる、古田拓也さん(1級FP技能士)です。「四季報の読み方は3~4パターン持っています」と、笑顔で語る古田さん。今回はその中でも、株初心者にオススメだという読み方を披露してもらいます。
かつての急落前とソックリ?今年の10月相場も警戒する理由
10月は株式投資にとって危険な月?
昨日(9月26日)は3・9月決算銘柄の権利落ち日でした。日経平均は8日ぶり反落、100円近く下げて始まった後は下げ幅をじりじり縮め、大引けは24,033円と前日比93円高で終えました。155円程度の配当落ちの影響を考えれば、実質的に250円近くの上昇です。 堅調な実質10月相場のスタートとなったといえるでしょう。しかし、脅かすつもりはありませんが、10月は株式相場の急落に注意したいものです。「トム・ソーヤーの冒険」で知られるマーク・トウェインは、10月は株式投資にとって非常に危険な月だと述べています。実際に、歴史に残る大暴落、「暗黒の木曜日(1929年)」や「ブラック・マンデー(1987年)」は10月に発生しました。日経平均の歴代暴落ランキングを見ると、上位10回の暴落のうち、半数の5回が10月に集中して起きています。その5回のうち最大のものはブラック・マンデー、そして残りの4回はいずれも2008年の10月、すなわちリーマンショック時に記録したものでした。では、今年の10月は……?
テクニカル分析で上値予想、日経平均はどこまで上がる?
フォーメーション分析で解説
株価が上がるのか下がるのか、それを予測することは非常に難しいものです。しかし、過去の値動きからトレンドやパターンなどを把握し、今後の株価予想に活かす分析方法があります、それがテクニカル分析です。今回はテクニカル分析の中から、初心者にも使いやすい「フォーメーション分析」の見方についてご紹介します。
株価が年初から4割下落、「鳥貴族」を覆う不安の正体
“外食の勝ち組”に何が?
焼き鳥居酒屋チェーン「鳥貴族」の株価が低迷しています。1月9日に高値3,910円をつけましたが、足元では9月21日終値ベースで2,250円と、4割強も下がっているのです。鳥貴族といえば、外食業界の“勝ち組”といわれてきました。2014年7月期には売上高が146億円、本業の儲けを示す営業利益が6.9億円でしたが、直近の2018年7月期にはそれぞれ339億円、16.8億円と、5年間で2倍以上に拡大しています。にもかかわらず、株価はこの9ヵ月間で4割強も下落。なぜ市場の評価はこんなに厳しいのでしょうか。その理由を分析してみたいと思います。
中秋の名月に考える、「満月と株価」の通説と真実
月の満ち欠けが投資に与える影響
9月も下旬となり、夜になると、薄着では少し肌寒くもなってきました。ジメジメした猛暑が終わり、カラッと快い季節です。空気が澄んで、夜空の星がきれいなこの時期の伝統行事といえば、お月見。今年は9月24日が中秋になります。「秋の十五夜」と言ったほうが、もっと親しみある呼び方かもしれません。昔から十五夜のお月見では、ススキを飾り、お団子をお供えして、満月を堪能してきました。ところで、十五夜に出るお月さま。満月と思っている人も少なくないでしょう。でも、実はちょっと違うのです。今年の場合、24日が十五夜ですが、満月は翌日の25日に見られます。十五夜は月の周期を基準とした「旧暦」を基準としています。その旧暦では月の周期を1ヵ月としていて、新月をスタートとして、次のスタートの新月までが30日とみなされます。そのちょうど、中間の15日目が満月の日とされています。しかし、実際の月の周期は29.5日と中途半端なのです。この半端な0.5日分がズレとなり、満月は新月から数えて15日目の十五夜と重ならなくなるのです。実は、昔から当たり前と思っていることでも実際は別、ということがあったりします。逆に、そんなこと本当
南海泡沫事件と監査報告書の誕生
簿記の歴史物語 第30回
簿記と会計の歴史を扱っていながら、今まで「南海泡沫事件」に触れてこなかったのは片手落ちでした。オランダのチューリップ・バブルやフランスのミシシッピ会社事件と並んで、歴史上もっとも有名なバブルの一つです。「バブル」という言葉そのものが、この事件をきっかけに生まれました。事件の主役となった「南海会社」は、東インド会社設立のおよそ110年後、1711年に設立されました。主な事業目的は奴隷貿易で、スペイン領の南アメリカに奴隷を供給するという商売(※アシェント貿易)の独占権をイギリス政府から賦与されていました。とはいえ1719年には肝心の得意先であるスペインとの戦争(※四国同盟戦争)が始まったので、事件当時はアシェント貿易そのものを失いつつあったようです。そして南海会社には、もう一つ大きな存在理由がありました。それは、政府の財政難の解消です。