はじめに
投資家はどこでこの変化に「気づけた」のか?
では、投資家がこの変化に気づくべきだったタイミングはいつだったのでしょうか。ふたたび、株価チャートと決算イベントを確認します。
画像:TradingViewより
2025年3月期第2四半期決算説明資料を見ると、①の2Q時点で、KPIが改善されていることがわかります。そして、②の3Q決算では、「予約枠が広がった → 顧客数が増えた → 売上が上がった → 黒字化した」という流れが、数値で明確に裏付けられていました。
投資家がこのKPIの変化に注目できていれば、株価上昇の起点を先取りできた可能性があります。理想としては、以下のステップが現実的だったかもしれません。
①2Qのタイミングで変化に気づきウォッチ銘柄としてチェック
②3Q決算のタイミングで試し買い
③新年度予想が強気であることを確認してから本格的に買い出動
テクニカル的には“どこが買い”だったか?
5月初旬には、それまで揉み合っていた株価がすべての移動平均線を上抜けし、出来高も増加傾向にありました。6月前半には7,000円台で短期的な横ばいゾーンを形成しており、ここがチャート上では押し目買いの好機だったと見られます。
そして6月19日の中期経営計画修正と同時に、出来高を伴って高値をブレイクアウト。その後、株価は一気に急騰フェーズへと突入しました。仮に7,000円でエントリーしていた場合でも、1.5倍以上のリターンが得られた計算になります。
今から買うのは“アリ”?
すでに株価は大きく上昇しており、短期的には押し目を狙うのが現実的でしょう。
ただし、同社の掲げる中期経営計画では、2027年に営業利益30億円(前期比3倍)を目標としています。これは営業利益率20%超を想定する強気な数値です。
さらに今後は、ネイル事業に加えてM&Aや子会社による新たな収益源も育ちつつあります。特にBtoB領域やヘルスケア事業、ファンド運用などは、中長期の成長ドライバーとして評価される可能性があります。
現在、株価は9,000円台でPERは約61倍ですが、仮に利益が3倍へ飛躍するならば、株価がこのままでもPERは約20〜30倍となり、成長性と比較しても決して割高とは言い切れません。
押し目で拾えるチャンスがあれば、そこは見逃したくないところです。
コンヴァノの株価急騰は、決算説明資料を丁寧に読み込んでいれば、事前に察知することができた事例です。来店数、予約枠、単価、採用人数など、こうしたKPIが明確に改善している企業は、遅かれ早かれ業績に反映されます。
このように、「数値に基づく成長ストーリーに早く気づけた人ほど、大きな果実を手にする」というシンプルな真理は、私たち投資家にとって大きな学びと希望を与えてくれますね。
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