はじめに
教育費の負担のピークは「大学進学」
次に、大学の学費を見てみましょう。
一般的に教育費のピークは「大学進学」と言われています。国立大学の学費は、文部科学省によって標準額が定めらており、入学料28万2,000円、年間の授業料は53万5,800円です。4年間では、約243万円の学費がかかります。
一方、私立大学の学費ですが、私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金調査結果によると、文系で入学料22万3,867円、年間の授業料は82万7,135円、施設設備費14万3,838円となっており、4年間では、約411万円の学費がかかります。
理系では、入学料23万4,756円、年間の授業料は116万2,738円、施設設備費13万2,956円です。4年間では、約542万円の学費がかかり、医歯系学部に進学した場合には、さらに学費がかかります。
また、大学の学費は、半年ごとにまとまった金額を納付する必要があるため、入学前までに300万〜500万円を貯めておかなければなりません。
さらに、下宿して大学に通う場合も見てみましょう。全国大学生協連「第58回学生生活実態調査」(2023年)によると、毎月の下宿生の支出は12万3,630円となっています。
単純にこれだけの金額が4年間かかったとすると、総額は600万円近く! ただし、実際には、子供がアルバイトをしたり、奨学金を利用したりして、家計負担を減らしているご家庭がほとんどです。
このように見てくると、仮にお2人のお子さんが私立高校、私立大学(理系)に通った場合の実質の学費は以下のようになります。
・私立高校:341万円
・私立大学(理系):1084万円
合計1425万円
もちろん、あくまでもデータ上での試算ですが、一つの目安にはなるのではないでしょうか。ご相談者さんは既に2500万円の貯蓄があるので、何か状況が大きく変化しなければ、現時点で学費は準備できていることになります。
「もしも」に備えてから投資を始めると安心
既に家もお持ちのようですし、教育費の準備もできそうなことがわかったので、ご相談者さんの家計の状況では、投資をしても問題ありません。
ただし、投資を始める前にもしもの場合に備えて生活費の6カ月〜1年分は確保しておきましょう。ご相談者さんの場合毎月の生活費が35万円程度だとすると、6カ月分で210万円、1年分で420万円となります。
できれば1年分あれば、急な病気やケガで働けなくなったり、リストラや転職などが起こったりしても慌てずに済みます。「もしも」のお金は普通預金口座で貯めておくとよいでしょう。
また、3〜5年後に必要となることがわかっている費用は、投資ではなく、貯蓄として手元に置いておいたり、定期預金や個人向け国債のように安全性の高い商品で運用したりするのがおすすめです。