はじめに
梅雨明け、蝉の声とともにうれしい夏のボーナスシーズンが到来しました。夏のボーナスを何に使うかもう決めましたか?
先日、経団連が発表した大手企業の今年夏のボーナス妥結額状況(第1回集計)では、回答した95社の組合員平均は前年夏比3.7%増の92万7415円と4年連続の増加となりました。増加の要因としては、自動車を中心に業績が改善し、ボーナス業績に連動させる企業が増えたためとなっています。
バブル全盛期は企業業績が好調で、給与は右肩上がりかつ高金利の時代。そんな時代とはうって変わり、現在は、初めてとなるマイナス金利が導入されています。変化の早いこの時代、お金と賢く付き合いたいものですね。今期の夏のボーナスをきっかけに、実践できるマネープランを一緒に考えてみませんか。
ボーナスの使い道で依然多いのは「貯蓄」
ボーナスの使い道で最も多いのは「貯蓄」で44%、次いで「生活費の補填」19%、「旅行・レジャー」12%、「投資」11%です(日本経済新聞社2016年読者モニターアンケートより)。低金利のいま、預金でお金は増えないことが分かっているこの状況でも、「投資」に回すのは貯蓄の1/4であり、「貯蓄」に回す割合がほとんどです。
昨今では「下流老人」という言葉なども耳にするようになり、老後の生活に不安を抱く現役世代も少なくないでしょう。2050年には、人口の半数近くが高齢者になるといわれる日本では、加速する少子高齢化を背景に、今後増加が想定される税金や社会保険料の加速が止まらない中、このままではいけないと考える人が多いと思われますが、結局ボーナスの使い道がわからず、とりあえず「貯蓄」としているという傾向がうかがえます。
避けたいボーナスの使い方
ボーナスの使い道はいろいろありますが、ここでは避けたいボーナスの使い方を2つお伝えします。「とりあえず」の貯蓄
ボーナスの使い道として、常に上位にランクインする「貯蓄」。毎月の給料からでも少しでも貯蓄したいところですが、子どもの教育費、住宅ローン、車のローンなど、毎月支払に追われていて思うように貯蓄ができないのが現状です。よってボーナス時にまとめて貯蓄するという人が多いのでしょう。
「貯蓄」すること自体は非常に良いことですが、ボーナスのほとんどを普通預金に置きっぱなしにしているとしたら考えものです。2016年7月現在、大手都市銀行の普通預金金利は年率0.001%で、利息はわずか。さらに、インフレになり今後、物価上昇すると、お金の価値は目減りするというリスクもあります。
つまり、将来に向けて10万円を預金しても、物価上昇した場合、今10万円で買える物が10万円よりも多くの金額が必要になってしまうということなのです。将来のための“とりあえずの”貯蓄は危険なのがお分かりいただけたでしょうか。
何も考えずに消費を楽しむ
普段は洋服などの買い物や旅行といった贅沢を控えているだけに、ボーナスが支給されたら、家族の好きなものを買いにショッピングモールに出掛けるなどのご家庭は多いことでしょう。
ボーナス時期は、店舗でもネット通販でもいろいろなところでセールの文字が目に入り、値段が安くなっているから得した気分になりやすいです。子供の成長に合わせて衣類を購入する必要がありますので、セールで購入すること自体は問題ありません。
一方、同じ買い物でも、日ごろのストレスをボーナスで買物三昧してストレス発散するために使ってしまう人もいます。確かに普段は贅沢しないように物欲を抑えて生活しているので、ストレス発散を気にせず買い物をすることは気持ちがいいものです。
しかし、ストレス発散で購入した物を、後々見ると、買ったまま袖を通さずクローゼットに入ったままなど、使うと思って購入したけど冷静になって考えたとき「いらなかった」と思うようなものを購入してしまうことが多いのも事実です。衝動買いではなく、家族の必要な物を事前にリスト化しておき計画を立てて納得のいく買い物をすることが大切です。