はじめに
今年こそ貯金を増やしたい!そう考える人は多いと思います。
その理由の1つに、老後の経済的な不安があるのでは。
何歳まで生きるのか、医療や介護にいくらかかるのか。長生きすることは良いことだけれど、お金がなくなったらどうしよう……。不確実性が大きいと、人は不安になりやすいものです。
そこで、将来受け取れる年金額を確認したり、退職後の生活費を予想してみましょう。それだけで不安は少なくなりますし、今から対策を練ることもできます。
老後のための貯金をするのであれば、銀行口座に貯金しておくよりも、有利になる制度があります。自分で年金を増やして節税できる「iDeCo」や、長期的に積み立てながら投資ができる「つみたてNISA」がそうですね。
2018年は、こうした制度を積極的に利用して、老後資金を増やしてみるのはいかがでしょう。
老後のための資金計画
漠然とした老後の不安から開放されるために、実際のいまの状況を知り、そこからどう対策すべきかを考えてみましょう。
□自分の年金額を知ろう
□老後に必要な生活費
□利用したい制度
今回は以上の3つのポイントから解説します。
「ねんきん定期便」をみよう
まずは、老後の重要な収入である「公的年金」をみてみましょう。年金の受給額は、働き方、働いた期間、お給料などによって、人それぞれ違います。みなさんは、いくら受け取れるかご存知ですか?
自分の年金額を知る1番簡単な方法は、「ねんきん定期便」を見ること。
ねんきん定期便は、毎年誕生日月に葉書で送られてきます(35歳、45歳、59歳の人は封書で届きます)。葉書を開くと、左下の「加入実績に応じた年金額」に、現時点での年金額が記載されています。
ただし、この年金額は「これまでの加入実績」から算出しているものなので、これから働く分は加味されていません(50歳以上の人は受け取る見込み額が記載されます)。
これから働く分のおおよその年金額は、以下の掛け算で計算できます。
「退職するまでの平均年収×退職までの年数×0.005481」
たとえば、今35歳で65歳で退職して、今後の平均年収を500万円とした場合。
500万円×30年×0.005481=822,150円
おおよそ82万円が、これからの30年働くことで増える年金(年額)の目安となります。月額にして約6万8000円ですね。これは、あくまで概算ですので、もっと詳しく知りたい人は「ねんきんネット」でシミュレーションしてください(基礎年金番号などでログインする必要があります)。
注意したいことは、受け取る年金が一定額以上になると、所得税や住民税を天引きされるということ。また、退職後も、健康保険や介護保険などの社会保険料も支払います。
年金の受給額がそのまま手取りとして入ってくるわけではないのです。少し減るものとして考えておきましょう。