はじめに
筆者は講演や相談などを通して、様々なお客様と話す機会がありますが、お金をしっかりと貯められる人は、共通して「お金を貯める仕組み」を活用して貯蓄しています。
今回は、貯蓄賢者が実践する、お金の貯め方4選を紹介します。
貯蓄賢者は貯蓄専用口座を設け、先取り貯蓄を実践
貯蓄賢者は、普段使っている日常口座とは別に、貯蓄専用口座を作り、その貯蓄専用口座には給料が入ったら真っ先に貯蓄しています。
貯蓄専用口座を作ることは、誤って貯蓄額を使うなんてことはなくなりますし、貯蓄金額がいくらになっているのか「見える化」することができます。コツコツと貯蓄した結果が見えることは、貯蓄を続けるモチベーションにもなりますよね。
お金を確実に貯める考え方ですが、「収入から支出を引いて、余ったものを貯蓄」ではなく、「収入が入ったらすかさず貯蓄をし、残ったお金で生活のやりくりをする」というものです。
×「収入-支出=貯蓄」:成り行き貯蓄
○「収入-貯蓄=支出」:先取り貯蓄
この「先取り貯蓄」を自動でできる仕組みを活用することが、貯蓄賢者となる秘訣です。
貯蓄賢者のお金の貯め方
(1) iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoとは、従来でいう個人型確定拠出年金のことを指します。確定拠出年金とは、毎月一定の掛け金を自分自身で運用して資産を増やし、その資産を老後に受け取る年金制度です。
iDeCoは個人が任意に加入して自ら掛け金を拠出します。加入する金融機関は個人が指定した金融機関になります。2017年から制度が改正され、国民年金保険料を支払っている、20歳以上の方なら誰でもiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できるようになりました。
ただし、会社員の人は勤め先に「企業型確定拠出年金制度」がある場合、加入できないケースもありますので、人事部か総務部に確認してみてください。
iDeCoは、毎月の掛け金が全額所得控除になることで所得税・住民税の負担が減る、運用中の利益に税金がかからないなど、節税効果が大きく得られる制度です。
(2) 投資信託自動積み立て(投信積立)
投資信託は、金融機関が投資家からお金を少しずつ集めてひとまとまりにし、そのまとまったお金をプロである運用担当者が運用する金融商品です。
投資信託は、株式や債券などの「詰め合わせ」で、投資信託一つ一つが分散投資の役割を果たしていて、自分で株式や債券の分散を行わなくて良いので、便利な商品と言えます。
ほとんどの銀行や証券会社で投資信託自動積み立てのサービスを提供しています。金融機関によりますが、100円と少額で購入できます。毎月一定額ずつ購入(積立投資)すれば、「時間の分散」もできます。
値動きのあるものを毎月一定額購入すると、「価格が高いときには少ししか買えず、価格が安いときにはたくさん買える」という現象が起こりますので、平均購入価格が自然と下がり、価格が大きく上がらなくても利益が出せる可能性が増します。
投資信託自動積み立てを、2018年から始まる「つみたてNISA」や現行のNISAを活用すると、運用益が非課税になりますのでお金が増えるスピードはさらに増します。