はじめに

カップ麺で昼休みを効率化

かけ声ばかりで、実際の業務効率化がなかなか進んでいない。そんなプレ金の現状を皮肉った販促プロモーションも現れ始めました。

日清食品は自社のオンラインストアにおいて、今月から「プレミアムノンフライデー(プレノン)」というキャンペーンを始動。プレミアムフライデー直前の平日4日間、オンラインストア限定で「日清ラ王」などのノンフライ麺商品を20%オフで販売するというものです。

このプレ金前の4日間にキャンペーンを打つ理由が、実にユニーク。多くのビジネスパーソンが効率的に仕事ができていないのは、昼休みに無駄が多いから。そこで、昼食をプレミアム(高価格帯)のノンフライ麺にすれば、デスクでラーメン屋気分が味わえて、業務の効率化も進む、というのです。


プレノンのHPに掲載されている経済産業省への提案書の一部

プレノンのホームページでは、「プレミアムフライデーを知ってる7人ぐらいに聞きました。結局、15時に帰れない人が多い理由は何だと思いますか?」という調査の結果として、40%が「仕事やってるぞ感を出したいから」、60%が「ソリティアが忙しいから」など、おふざけ感満載のコンテンツを掲載。プレ金を主導する経済産業省への提案書という形でまとめています。

斜に構えたスタンスが現状を変える?

かなり挑発的な内容ですが、「企画にエッジが立っていないと世の中に出せない社風なので、特に(社内からの)反発はありませんでした」(日清食品のプレミアムノンフライデー広報担当者)。企画のローンチ前にはプレ金の事務局や経産省からも了承を取得したそうです。

肝心の売れ行きは、キャンペーン初日からメディアに取り上げられたこともあり、販売数は徐々に上がってきているとのこと。現在はオンラインストアのみの展開ですが、将来的にはスーパーやコンビニでも同様のキャンペーンを展開していきたいといいます。

政府と経済界のかけ声で始まったものの、なかなか実施が広がらないプレ金の取り組み。今のところは“仏作って魂入れず”の印象が否めません。一方で、日清食品がプレノンの中で茶化しながら提案している昼休みの効率化は、日本企業における働き方を変える1つのヒントになる可能性もあります。

もしかすると、少し斜に構えたスタンスで仕事の効率化に向かい合うことが、現状を変える小さな一歩になるのではないでしょうか。

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