はじめに

飛び去っていく紙幣

いっぽう紙幣の絵文字の中には、羽の生えたお札(?/Money With Wings)という変わり種もあります。実はこの絵文字も、もともとはKDDIが実装していた絵文字でした。

目を凝らして絵柄を見ていただければお分かりだと思いますが、この絵文字は「束ねた紙幣から鳥のような羽が生えている絵柄」をしています。つまりお金がどこかに飛んでいってしまう様子を表現しているわけです。

やはりというべきか。SNSなどの書き込みを観察すると、この絵文字は浪費・散財・金欠に関連した話題でよく登場します。例えばインスタグラムでハッシュタグ #? を検索すると――興味深いことにインスタグラムでは #絵文字 という語形のハッシュタグが普通に存在しています――高級時計や、ホテルの外観や、宝飾品や、自動車などの写真をたくさん見つけることができます。

がま口財布がバッグに見える件

次に紹介したいのが「お金の入れ物」に関連した2種類の絵文字です。

まずひとつめは財布(?/Purse)です。これは元々ドコモとKDDIが実装していた絵文字でした。いわゆる「長財布」ではなく「小銭入れ」をイメージした絵文字で、実際に多くの実装でも「がま口財布」を描いたデザインになっています。ただし色は実装により異なる場合もあります。

この絵文字はSNSなどの書き込みで、基本的に買い物の話題でよく登場するのですが、意外な登場パターンもあります。絵柄からの連想で「バッグ」の話題に登場することも多いのです。実際、インスタグラムでハッシュタグ #? を検索すると、買ったばかりと思われるバッグの写真がたくさん見つかります。

ふたつめはドル袋(?/Money Bag)。これは国内3社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)のすべてで登場していた絵文字です。ただしKDDIとソフトバンクは、この絵文字を「賞金」と説明していました。

多くの実装では、袋の表面に$マークを描いたデザインになっていますが、この$マークは「必ず書き込まなければならない」というわけでもないようです。実際、フェイスブック/メッセンジャーの実装では「無地の袋の横に硬貨が積み上がっているデザイン」を採用していました。なおSNSでの書き込みでは、お金や富の表現としてこの絵文字が登場します。

クレカの署名欄をよく見ると…

お金関連と言えば、クレジットカード(?)の絵文字もあります。ガラケーではKDDIだけが採用していた絵文字でした。絵柄は各実装とも、カードの裏面――すなわち磁気テープと署名欄がある面――を描いたものが多いようです。

この署名欄を大きく拡大すると、実は名前が書き込まれている場合もあることをご存知でしょうか? 例えばアップル社の基本ソフトmacOS、iOSなどで登場するクレジットカードの絵文字を拡大すると、署名欄にJohn Appleseed(ジョン・アップルシード)という記名を見ることができます。これは米国に実在した開拓者の通称(本名John Chapman/1774-1845)を引用したものなのだそう。西部開拓地でリンゴの種(apple seed)を植えたことからこう呼ばれているとか。アップル社のソフトウエアやサービスでは、日本でいう山田太郎的な位置づけでこの名前がよく登場します。

絵文字のクレジットカードは、SNSなどの書き込みでは意味通りクレジットカードを意味する文脈で登場しますが、そのほかにもポイントカード/プリペイドカード/交通系電子マネー/免許証などなど、とにかくカード状の何かを表現する際にもよく登場します。

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