はじめに
お金の絵文字――たとえばドル紙幣を意味する?などの絵文字――について、その雑学を紹介する記事の後編です。
前編では紙幣系(?など)、入れ物系(?など)、通貨記号系(?など)の絵文字を紹介しましたが、ほかにはどんな絵文字があるのでしょうか?
銀行の絵文字が「神殿」である理由
まずは施設系の絵文字から。お金関連の施設といって真っ先に思い出すのは銀行ですね。もちろん絵文字の中にも銀行の絵文字(?)が存在します。ガラケーの時代から、NTTドコモ(以下ドコモ)、KDDI(au)、ソフトバンクの各社で存在していた絵文字でした。
この銀行の絵文字は、見た目がどんどん豪華になった経緯を持っています。例えばドコモとソフトバンクの実装は、建物風のデザインにBKと書き込まれたシンプルなもの。KDDIも□にBANKと書き込まれた簡単なデザインでした。しかしアップル、グーグルなどでは、パルテノン神殿風のデザイン(実装によって$やBANKが書き込まれている場合もある)を採用。またサムスンやLGでは、現代的なビルにBANKと書き込まれたデザインを採用しています。
ちなみにギリシャのパルテノン神殿――巨大な円柱が並んでいる形で有名ですね――は、銀行をアイコン化する際によく登場するモチーフです。この神殿は女神アテナを祀るための神殿なのですが、それだけでなくアテナイ帝国の「国庫」としての機能も持っていたのだそう。それゆえパルテノン神殿は、銀行のモチーフとなったといいます。
建物、看板、装置に分かれるATM
お金関連の施設といえばATMも身近な存在ですね。ATMはautomated-teller machine(現金自動預け入れ払い機)の略。このATMにも絵文字(?)が存在します。ガラケー時代にドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社で登場してた絵文字です。それだけニーズの大きな絵文字だったのでしょう。
この絵文字の大きな特徴は、実装によって「建物」「看板」「装置」のデザインに分かれているという点です。ただしいずれのデザインも、ATMと大きく書き込まれている点では共通します。
例えばドコモとKDDIは「建物」風の枠にATM、ソフトバンクは青色で四角い「看板」にATMと書き込んだデザインになっていました。このうち建物風のデザインは現在でもサムスンが引き継ぎ、看板風のデザインはアップルやフェイスブックやツイッターなどが引き継いでいます。また新顔である「装置」風のデザイン――ATMの操作パネルや装置全体を描いている――は、グーグルやマイクロソフトなどが採用しています。
余談ながら、グーグルの検索窓に?を入力してもATMそのものの情報を探すことは難しいのですが(絵文字の情報が先に見つかる)、?を入力すると銀行の情報がきちんと登場するようです。