はじめに

株価暴落で頻出した絵文字

今度はグラフ系の絵文字です。ここで紹介する絵文字は、厳密には「お金の絵文字」ではないかも知れません。しかしながら「相場への言及には欠かせない」という意味でお金との関連は深いのです。それが上昇グラフの絵文字(?/Chart With Upwards Trend)と下降グラフ(?/Chart With Downwards Trend)の絵文字です。言い換えると折れ線グラフの絵文字となるでしょうか。

ちなみにガラケー時代には、KDDIだけが折れ線グラフの絵文字をサポートしていました。またKDDIは、折れ線グラフだけでなく棒グラフの絵文字もサポートしており、これもUnicodeの絵文字(?/Bar Chart)に引き継がれました。

さて折れ線グラフの絵文字は、上昇/下降で「色分け」されている実装が多いのが特徴。アップルの場合は上昇が赤、下降が青。グーグルの場合は上昇が赤、下降が緑といった具合です。

SNSなどの書き込みを観察すると、体重の増減を報告するダイエット中の人の発言や、やる気の変化を報告する人の発言など、さまざまな用例を発見できます。そういった書き込みの中には、もちろん株式や為替の相場に言及したものもありました。実際、今年2月に世界の株式相場が暴落した際も、SNS上で下降グラフ(?)がたくさん登場しました。

サムスンが「消して戻した」絵文字

さてそんなグラフ系の絵文字の中に、ひとつ変わり種が含まれています。上昇グラフの横に「¥マーク」が書き込まれた絵文字(?/Chart With Upwards Trend and Yen Sign)が存在するのです。

これはもともとKDDIとソフトバンクが「株価」を表すために用意していた絵文字でした。絵文字の英名にYen Signと書き込まれているだけあり、各社の実装とも¥マークが「もれなく」書き込まれています。

ところで本記事の前編では、韓国メーカーが為替・両替の絵文字(?)において¥マークの存在感を小さく扱っていることを紹介しました。これと同様、韓国メーカーは¥付きの上昇グラフ(?)の取扱いに苦労したようです。というのもサムスンは2016年に、自社の携帯電話で?を表示しない設定を施したのです。この際に表示しなくなった絵文字には、ほかにも交差した旗(?/日本における祝日マーク)と日本地図(?)の絵文字も含まれていました。

幸いこの措置は2017年のアップデートで解除されました。ただその際サムスンは、これらの絵文字のデザインを「自社製」から「グーグル製」に変更しています。同社による一連の動きは、韓国における対日感情を反映したものかもしれません(参考:Emojipedia 2017年5月1日「Samsung Puts Japan Back On The Map」)。

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