はじめに

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最近、耳にする機会が多くなった「ETF(上場投資信託)」。ビジネスパーソンやこれから投資を始めようと考えている人にもオススメと聞きますが、なんだかよく分からないし難しそう…と手がでない方も多いのでは。

そこで今回は、ETF投資歴の長い、公認会計士・税理士の伊藤さんに話を伺い、実際、ETFとはどういう商品なのかをきいてみました!


ETFは、忙しいビジネスパーソンや、手軽に投資を始めたい初心者にこそオススメ!

MONEY PLUS編集部: ビジネスパーソンや投資初心者がETFを選ぶメリットは何でしょうか?

伊藤: ETFのメリットを一言でいうと、「日本を含めたグローバルへの分散投資を手軽に、かつ低コストで実現できる」という点にあるのではないでしょうか。

ETFは、日経平均株価やTOPIXなどの、新聞やニュースでもたびたび目にする「指数(インデックス)」に価格連動を目指すように設計されている金融商品ですが、その指数には、特定の国や地域の株式指数をはじめ、債券、REIT、コモディティ(金、銀等)などの資産に関するものもあり、その種類は非常にさまざまです。

具体的には、アメリカのダウ平均株価やS&P500、中国の上海総合指数といったような、各国を代表するような指数をはじめ、先進国や新興国といった、より広範な市場をカバーする指数も用意されています。複数企業の個別株式を保有する場合、銘柄ごとに株価推移が異なるため、個別にモニタリングする必要がありますが、ETFの場合は、上述の通り、指数の推移に価格連動を目指すよう設計されていますので、仮に、同じ銘柄を含むETF1銘柄に投資する場合、モニタリングにかかる手間や時間が削減されます。これは、忙しいビジネスパーソンにとって大きなメリットといえるでしょう。

さらに、海外株式への投資は、個別株への投資ですと、外国の個別企業を詳しく調べるのは日本企業以上に大変なので、初心者にはハードルが高いかもしれません。また、外国株式用の取引口座を開く、取引通貨を用意するなど、取引においても、わかりにくい点が多いといえます。

しかしながら、東京証券取引所など国内の取引所に上場されているETFであれば、日本企業の個別銘柄と同じように、それぞれの市場全体に投資することが可能ですので、海外市場への分散投資を、投資初心者の方でも手軽にご利用いただける金融商品かと思います。

また、保有する際のコストに関しては、個別銘柄を選別するアクティブ型の投資信託と比較して、信託報酬が低い傾向にあり、比較的少額から投資できるのも、大きなメリットであるといえるでしょう。以上、ETFであれば手間をかけずに国内・海外への投資を比較的低コストで実現することが可能ですので、その点が忙しいビジネスパーソンや初心者の方に向いているといえるのではないでしょうか。

MONEY PLUS編集部: ETFは特にどういったタイプの投資家に向いていると思いますか?

伊藤: 指数と同じような値動きを目指すETFの「シンプルさ」は、多忙なビジネスパーソンや投資初心者が中長期志向で投資をする際に保有する金融商品として利便性が高いと思います。

私自身、最初に証券口座を作ったのは社会人になりたての2000年代前半になりますが、当初は一生懸命個別株の分析をしていました。勝ったり負けたりする中で、労力に見合う成果を出すのは難しいなと感じました。また、ポジションを張るとストレスも掛かり、マーケット動向が常に気になっちゃいますよね。仕事も忙しくなる中で、長期目線でゆったりと資産を増やしていく投資手法が良いなと思うようになり、色々と勉強していくにつれ、日本より高い経済成長が期待される外国に着眼したグローバル分散投資を主軸にすることが自分には適していると思うようになりました。その手段として、比較的低コストでグローバル投資が可能なETFという商品に辿り着きました。

上述の通り、ETFのメリットの1つとして保有コストが相対的に低いという点が挙げられます。特に、アクティブ型の投資信託や最近流行のファンドラップに比べると、ETFは圧倒的にコストが低い点が魅力です。中長期投資により資産形成をしていくには、保有コストを低く抑えるに越したことはありません。30年複利では1%の差で1.35倍、0.5%の差で1.16倍の乖離が生じます。1%の差でも長期ではそれなりに運用成果が変わってくることが分かると思います。

ETFって、投資慣れした人が使うことが多いという印象をお持ちの方もいらっしゃるかも知れませんが、個人的には、多忙なビジネスパーソンにこそ適しているんじゃないかという気はしますね。