はじめに
ケーススタディで学ぶ「賢い住宅ローンの組み方」
ここからは本記事のタイトルにのっとり、千日氏に寄せられた読者相談から「かしこい住宅ローンの組み方」に関するケーススタディを2件みてみましょう(以下は、本書第7章から一部編集のうえ転載したものです)。
30代・年収の10倍の家を買う
―頭金2割で金利が0.1%優遇されるスーパーフラットとSの組み合わせ
居住予定の家族の年齢と年収 | 夫(30歳) 年収420万円 妻(32歳) 年収260万円(契約社員) 子どもはいませんが現在妊娠中で近々出産予定、2年後には2人目を予定しています。 |
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自己資金の額 | 1300万円(うち1000万円は義父からの援助) |
物件価格 | 4300万円 |
借入予定額 | 3440万円 |
物件のタイプ | 建売一戸建て |
金利Aプラン | 当初10年間0.35%引き下げ、その後完済まで0.1%引き下げ。 | 金利Bプラン | 当初5年間0.35%引き下げ、その後完済まで0.1%引き下げ。 |
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(本書P.235より)
大手銀行の当初固定金利と遜色ない金利になるうえ、当初期間が終わったあとも安心の固定金利というわけです。
(3) 迷ったら引き返す勇気も必要
私ならば4300万円の物件でゴーサインを出します。ただし、これは住宅ローンの切り口から「無理なく完済可能か?」という面だけで判断した話です。
「ここまでやったのだから後戻りはできない……」
「費やした時間を無駄にしたくない……」
「がんばってくれた営業さんに悪い……」
「お金を援助してくれた、お義父さんの手前もある……」
こうしたいろいろな想いが交錯するかもしれませんが、引っかかりがあるなら勇気を持って撤退しましょう。「迷ったときはやめろ」です。契約前ならいくらでも引き返せます。
撤退は決して失敗ではありません。むしろ、何が問題かを知るチャンスなのです。勢いで買ってしまうよりも、一度立ち止まり、引き返したことのほうがよりよい経験になります。
マイホームの購入に必要なのは、十分な自己資金と冷静な判断です。自己資金は十分なので、ゆっくり考えて後悔のない選択をしてくださいね。
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