はじめに

多くの社会人の先輩方が、もっと早く将来のためにお金を貯めておくべきことに気付きたかったと思っています。

なら、これから社会人デビューする皆さんは、さらに今後、お金を貯めることは厳しいのではと不安に思われているかもしれませんね。

「何となく、無計画」に、これから受け取る給与を使うと答えは違ってきますが、将来のことを考えてお金を使い、管理ができれば、皆さんは余裕を持って貯められるでしょう。

今回は、これから社会人デビューする皆さんが、将来に向けて良いスタートダッシュが切れるよう、資産管理を業務とする46歳のFPが、私が20歳なら毎月の給与をどう運用するかという視点で具体的な運用方法をご紹介いたします。


若さを武器に!今から始めるなら十分余裕がある

現役時代の生涯賃金は、会社、給与等により個人差はありますが、2億円とも3億円とも言われています。例えば40年間で2億円の生涯賃金収入の場合には年間平均収入は500万円、3億円ですと750万円です。

一方、基本生活資金、住宅購入費用、教育資金、保険料支払い費、レジャー費等々を合計した現役時代の総支出合計も、個人差はありますが2億円とも3億円とも言われています。

ここで、まず伝えたいことは、大半の方が生涯得られる収入と、生涯使うお金は、それほど差はなく「トントン」ということ。「トントン」ということは、「何となく、無計画」にお金を使っている余裕って意外とないんだということにつながります。

よって、筆者が20歳であれば社会人スタート時から、本当にやりたいことにお金を使うことを考えて、無駄遣いをできるだけせず、お金を将来のために残す習慣作りを始めます。

社会人デビューからのスタートなら十分余裕を持って貯めることができます。

手取収入の2割を貯蓄へ回す習慣づくり

2017年11月に公表された厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、大学卒の初任給は男性が20万7800円、女性が20万4100円です。

就職して早々は、毎月受け取る給料は多くなく、貯蓄なんて無理と考えて、「そのうち」、給料がアップして余裕が出てきたら貯めようなんて考えがちです。

しかし、多くのお客様の資産管理に関わってきた46歳の私には分かりますが、給与を受け取り始めて、お金を使う習慣は簡単に身につくのですが、お金を貯める習慣は簡単そうで身に付けるのは難しいもので「そのうち」はなかなかやってきません。

そこで、スタートダッシュから手取収入の2割を貯蓄として残す習慣を始めることをオススメいたします。現役時代の生涯収入が2億円や3億円というお話をしましたが、仮に2億円の内の2割だと4000万円です。

手取の2割が可能なのかどうかを支出面から確認しておきましょう。

2017年2月に公表された総務省の「家計調査報告」によると、34歳以下の単身世帯の平均実支出は15万625円。内訳は以下通りです。

項目費用
食費39,580円
住居30,737円
光熱・水道7,015円
家具・家事用品3,568円
被服費及び履物7,604円
保険医療3,771円
交通・通信21,129円
教養娯楽20,016円
その他17,205円
合計150,628円

初任給が20万円の場合、ここから所得税や社会保険料が差し引かれますので、手取収入は17万円前後でしょう。

17万円から2割の貯蓄ということは、13.6万円内でやりくりをして、3.4万円は使わずに貯めていきましょうということです。あくまでも平均的なデータからにはなりますが、実家暮らしの場合には、住居費や食費等を少なくすませることも可能ですので2割貯蓄を目指せるとは思います。一人暮らしの場合は、厳しいかもしれませんが、最低1割からのスタートを目指してみてください。

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