読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。


今後の投資方針をお聞きしたいです。今年4月に急遽海外に赴任することになり、現在海外で生活中、家族も夏頃に合流予定です。3年から4年後には、日本に帰れる予定となります。これを機に現在の状況について振り返り、帰国後にさらに不動産投資を追加しようと考えております。現状と今後の投資方針についてのアドバイスをお願いします。

・家族:妻、子供3人(高校生、中学生、幼稚園)
・世帯年収:1,000万円程度(私900万円、妻100万円)
・現在の投資内容:
【太陽光発電】
・3,000万円の太陽光発電施設をフルローンで購入(15年返済)
・77kwの発電システムを構築
・残債2,500万円
・今年で3年目
【不動産投資】
・新築アパート4部屋を1棟買い
・3,500万円をフルローンで購入
・今年より開始、現在満室
・ローン金利1.9%
・表面利回り8%
【預金】
・定期預金500万円
【自宅一戸建て】
・築10年、簡単な見積りを取ったらおよそ3,000万円の価値
・住宅ローンは残債2,000万円、返済完了まであと15年
(40代後半 既婚・子供3人 男性)

深野: 今後の投資方針に関するご質問ありがとうございます。早速、回答に移らせていただきたいのですが、太陽光発電、不動産投資に関する収支の記載がありません。

質問の内容を確認する限り、投資はプラスの収支(黒字)で回っていると思われますが、どのくらいの利益が出ているのかが定かではないため、推測を交えて回答させていただくことをご承知おきください。

子供3人の教育費、500万円では足りない?

結論から言えば、帰国後に不動産投資を追加するのは賛成しかねます。

それは、世帯年収が1,000万円程度あるため問題ないとは思われるものの、それでも3人のお子さんを抱えている割に、金融資産が定期預金の500万円しかないことに不安を感じるからです。

子供の教育費は、これからが最も必要となる時期になります。投資収益から賄えているのかもしれませんが、太陽光発電の売電価格は引き下げが続いています。不動産投資は常に満室というわけにはいかないはずです。

もちろん、ある程度の空室を想定して収益を計算していると思われますが、ご質問者は太陽光発電、不動産投資、自宅を含めると8,000万円もの負債を抱えている状況になります。

不動産投資は、空室が何部屋出ると収支がマイナス(赤字)になるのかは定かではありませんが、仮にマイナスになれば太陽光発電の利益を相殺する形になってしまい、投資全体での収益が低下、引いては教育費を賄えないということも起こりうると思われます。

教育費は、収益が下がったから今年は抑える、ということが難しい性質の支出です。もし記載されている資産以外に教育費の十分な確保がないようであれば、教育費の準備のめどがつくまで借入れを伴う不動産投資は控えたほうが賢明と思われてなりません。

まずは返済に励み、加えて教育費の準備を

現状に関しては、現在の資産構成を変更する必要はなく、粛々と負債の返済に励み、かつ子供の教育費の準備を含め金融資産の確保を行うべきでしょう。

さらに、海外赴任をされると投資の状況を把握するのが難しくなることが考えられますので、今は現状維持に努めるべきだと思われます。帰国してからもその反動で投資に走ることなく、冷静な投資判断を続けてください。

酷な言い方になり気分を害してしまうかもしれませんが、身の丈に合った投資を心がけてください。決してリスク過多にならないでいただきたいと思います。