はじめに

そもそも確定拠出年金とはどんな制度?

確定拠出年金は、企業年金の一種で国の法律で定められた制度です。これまでの企業の年金制度といえば、将来の受取額があらかじめ決められている「確定給付年金」が主流でしたが、時代の流れとともに、多くの企業が「確定拠出年金」を導入するようになっています。

確定拠出年金の特徴は、加入者自身が運用商品を選択し、その運用成績次第で将来の受け取り額が変わるところ。公的年金も従来の企業年金である確定給付年金も将来の受け取り額はある程度確定していますが、確定拠出年金の場合、確定しているのは毎月の掛金のみ。

将来の年金の受け取り額は自分が選んだ商品の運用成果にかかっています。確定拠出年金は運用成績がよければ将来の受け取り額が増えるほか、転職時に年金資産を移管できたり、掛け金が全額所得控除となるため節税効果が期待できたり、投資商品で運用した場合、積立期間中は利益がでても税金がかからなかったりとさまざまなメリットがあります。

「企業型」と「個人型」がある

確定拠出年金には「企業型」と「個人型」の2つの種類があります。それぞれ加入できる人も特性も異なります。

企業型の場合、勤め先の企業がこの制度を導入していれば、社員は有無をいわさず強制的に加入することになります。「将来の年金をもっと増やしたいという要望を受け、2012年1月からは労使が合意すれば従業員が掛け金を積み増すことになっています。これがいわゆる「マッチング拠出」です。ただし、マッチング拠出できる金額には「企業側の掛け金と従業員の掛け金の合計が5万5,000円を超えない」「個人の掛け金が企業側の掛け金より多くなってはいけない」などいくつかのルールがあります。

個人型は、個人が任意に加入し、各自で掛け金を出資する制度です。どの金融機関に口座を開くかは、自分自身で選ぶことになります。9月16日には、個人型確定拠出年金の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決まったと厚生労働省から発表されました。

掛け金の上限は、職業や会社の制度で変わる

いくらまで掛け金を拠出できるかは、職業や会社の制度に企業年金などがあるかどうかで変わってきます。掛け金は、なんと5,000円という低額からスタートOK。上限額はこちらのチャートのようになっています。

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自営業やフリーランスは月6万8,000円まで

自営業やフリーランスなどの第1号被保険者の方は、個人型DCにて6万8,000円まで積み立てることができます。年間では、81万6,000円になります。

国民年金基金に加入している方は国民年金基金との合算で月6万8,000円まで、付加年金に加入している方は月6万7,000円まで拠出できます。

会社員の上限は2万3,000円〜5万5,000円

会社員(第2号被保険者)の方は少し複雑です。

まず、会社に企業年金がない会社員の方は、個人型DCに加入でき、月2万3,000円まで積み立てることができます。

会社の企業年金が企業型DCのみの会社員の方は、企業型DCと個人型DCに加入できます。上限はそれぞれ月額5万5,000円、2万円です。企業型DCと個人型DCを合わせた掛け金にも上限が設定されていて、上限は月5万5,000円です。

ただし、注意点があります。企業型DCにすでに加入している方が、個人型DCへ加入することは可能なのですが、次の要件を満たさなければなりません。

  1. 企業型DCにてマッチング拠出(従業員拠出)を行っていないこと
  2. 個人型DCに加入できる旨、企業型DC規約に定められていること

公務員は月1万2,000円まで

公務員の方は、個人型DCに加入することができ、上限は月額1万2,000円です。

専業主婦(夫)は月2万3,000円まで

専業主婦(夫)の第3号被保険者の方は、個人型DCに加入でき、掛け金上限は月額2万3,000円です。

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