はじめに

少子高齢化と不動産のニーズ

しかし、投資用不動産にインカムゲイン、家賃が入ってこなければ、これは即不良債権になります。将来にわたって需要が落ちない物件は何なのかということをよく考えてみてください。残念なことに、日本の人口は2008年をピークに減少局面に入りました。この35年間に現在の65%までに減るという予測が立っています。

年齢別人口ピラミッドの現在と2040年の予想です。この2つを比較しますと、年金問題はくっきりと浮かびあがってくるのですが、ここで皆さまに見ていただきたいのは、賃貸に住む世代の減少が投資用不動産のオーナーさまを直撃するんだということです。そんな状態になっても、皆さまは勝ち組にならないといけないです。狙うターゲットはここ、20代と30代の単身者です。

20歳ぐらいまでは親元ですし、40歳になると今度は持ち家比率が高くなります。家を買っちゃうんですね。少子化で賃貸住宅を必要とする人口は確実に減っていきますので、賃貸住宅を必要としている若者たちを確実に引きつけるエリア、物件、このニーズを厳選しなければいけません。

都道府県別の転入転出人口は東京と神奈川・千葉・埼玉の東京へのアクセスが良い地域に人口が集まっています。特に東京は21年連続、かつ昨年を上回った流入がありました。しかも、東京圏の転入超過数のうち98%を占めているのが15歳~29歳の若者なのです。単身者なのです。この現象は、決して日本の将来にとって正解だと思いません。思いませんが、この流れは止まらないと思います。

大阪・名古屋・福岡・京都、それぞれ魅力的な大都市ですが、背景に持っている人口のキャパシティーが違いすぎます。大規模ビルの開発が続いた大阪も、今年は昨年の半分になりまして供給はこれから減っていきます。首都圏の不動産と同じ感覚でお考えになりますと失敗いたします。格差はさらに開いていくのです。東京狙いは当たり前すぎて面白くないと、あえてリスクを取る運用をお考えの方もこの中にはいらっしゃるかもしれませんけど、リスクはぜひ他の投資で取ってください。不動産はローリスクだから魅力があるのです。考える意味があるのです。地方都市ですとか、アクセスが悪い郊外は賃貸のマーケットが違いすぎて、例えば皆さまの近くに新しいアパート1棟建ったら需給バランスは崩れてしまうのです。

厚生労働省の推計によりますと、日本全国の総人口が下降一直線なのに対して、東京都の人口は今とほとんど変わらないように推移します。さらに都心3区に絞りますと、2040年には63万人超え、今よりも40%増加していきます。オフィスばかりで夜はゴーストタウンになっていた中央区は、これはまずいというので1990年代の区長が人口を呼び込む住宅誘導政策をスタートして、以降劇的に人口が増えました。2017年も1年で5%増えましたが、ついにこの夏20年ぶりに容積率の緩和を取りやめます。新しいマンションが建ちにくくなります。それでも人口が増えてくるのです。千代田区は、前回の何年か前の推計では、2040年には人口が減少に転じるという予想だったのです。でも、今回は一転して32.8%増を見込んでいます。

事業用としておすすめなのは「単身者用」

私どもでは、実需型のファミリーマンション、お住まい用のファミリーマンションとしてガーラレジデンスシリーズをご紹介しておりますが、投資用の家賃収入を目的とした不動産は、コマーシャルでもおなじみ「ガーラマンションシリーズ」この名前で単身者用に絞ってご紹介しております。今年で38年になるエフ・ジェー・ネクストが事業用としておすすめしているのは一貫して単身者用です。

なぜか。ファミリータイプで借りて住む人は限られているのです。こんなに金利が低くて自己資金がなくても買えてしまう時代に、しかもお住まい用の不動産は各種税制の後押し、恩恵がありますから、よっぽど特別な理由がない限りファミリーを賃貸で探している人はいません。今年、青山に世界基準の高級物件を竣工した会社がありまして、完売した第一期分譲の最低価格が2億、最高が15億だったそうで即完だったらしいですが、このクラスになりますと、また投資としても別の価値はあるのです。ですが、将来子供が使うかもしれないからファミリータイプを買ってとりあえず貸しておこうかなとお考えの方がいらっしゃいましたら、そこは切り離してお考えになるべきです。事業用は、ご自分でお使いになる不動産とはきっちり分けてお考えになるほうが安全です。

単身者用はファミリーと違いまして、3月や4月の異動の時期に縛られません。1年中動きがありますので1年中安定した賃貸のニーズがあります。世帯数は右肩上がりに増えています。これは単身者用の世帯が増えていくということを示しています。

オーナーさま側から見てみます。ワンルームの一番の強さは分散投資です。同じ資産枠なら場所を選んで分散させて複数持つことをお勧めします。資産を分散させることで、周辺環境の変化などによるリスクが大きく回避できます。一箇所にまとめてしまうと、予定外のマイナス変化が起きたときにもろに影響を受けてしまいます。そうなったら皆さまは空室に耐えるか、家賃を下げて対応するかそれしかありません。しかも1室だけはない、全室なのです。いくら担保に土地があるからといっても、不動産の借入はノンリコースローンではありませんから。土地が借金するのではなくて、皆さんが負う借金です。

前は銀行の融資の際のチェックというのは、第三者による物件の評価の目安になったのです。借りすぎにストップをかけてくれていたのです。ですが、今は貸出を増やしたいがため審査の基準がどんどん甘くなっています。ですからそのぶん、皆さんが慎重にならないといけない。逆に分散させてお持ちになれば、どれかがプラスの変化を受けて価値の上昇の可能性が高くなるかもしれないという話になります。同じ基準で選んでいても、5年後、10年後に全てが同じ成長をしていくわけではありません。

実際のガーラマンションの中でも、周辺の開発を被って大化けしちゃった例が意外とあります。できるだけコマが多いほうが、生涯のラッキーを引き当てる可能性が高くなります。単身者用の物件はグロスの点で小さいですから、小さいものは扱いやすいです。ワンルームは買いやすく、そして売りやすいです。購入時にかかる諸費用も格段に少なくてすみます。

加えて所有権はそれぞれにつきますから、相続や贈与が発生したときに税金対策はもちろんですが、1個ずつ分けやすいですね。1個ずつ名義変更または売却ができるという大きな利点があります。将来、オーナーの皆さまご自身を取り巻く環境が変わって、ずっと持っていくつもりで買ったんだけども事情が変わって売却することになった。あるいは今のように価格が上がったりローンの残債が減ってきたので売却して利益確定したい。そんなときも皆さんのお持ちの中からこれはというものを選んで、大変動かしやすい不動産なのです。

また、複数お持ちになることで、残債が減ってきたところでいくつか売却して、売却益を残した物件に充当して、無借金のマンションで若いうちから家賃を得ている方がたくさんいらっしゃいます。これもリセールバリューの高い分散された不動産をお持ちだからできる資産形成なのです。

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