はじめに
運用商品選択で失敗しないポイント
元本変動型商品(投資信託)の選び方についてですが、アレコレ言っても混乱するだけですので、失敗しないポイントを一つだけお伝えします。それは「コスト」を抑えることです。
コストは投資信託の手数料の一つ“信託報酬”のことです。信託報酬については以下を参考に確認できます。
1.運用商品のラインナップから商品情報を確認
2.“投資信託”と書かれている商品を確認
3.各投資信託の“信託報酬(税込・年率)”を確認
信託報酬は、投資信託を保有している間、払い続けるコストなので、低いものを選ぶことが基本であり、運用の成否を左右するキーになるといっても過言ではありません。
はじめは小さい差も長期間で大きな差へ
たとえば、年間24万円(月2万円)の拠出を行なったとき、信託報酬の違いによる運用コストはどのくらい違ってくるのでしょうか?
例: 信託報酬:1.65240%と0.28080%の場合
上図は、信託報酬が1.65240%と0.28080%の投資信託を1年間、保有した時にかかるコストを計算し比較しました。信託報酬の差は1.3716%、年間の運用コストの差は3,292円になります。わずか数千円の差と思われるかもしれませんが、この数千円を投資に回せることになるので、数十年という長期間で見ると大きな差になることが考えられます。
投資信託の運用成績は様々な要因で値動きをするので、なるべくリスクを減らすことが重要です。信託報酬が低いものを選ぶことはリスクを減らすことになります。
コストが安いなら、バランス型投資信託も
先ほど、元本確保型と元本変動型を組み合わせた運用から始めてみてはとお話ししましたが、実はバランス型と言われる投資信託を選べば自分で組み合わせをする必要がありません。バランス型は、国内外の株式や債券など複数の資産に投資をする投資信託です。
バランス型は複数あるので、初めて投資をする場合には、変動リスクの少ない債券に資産の配分を多くしている投資信託などを選ぶのもよいでしょう。その際は必ず信託報酬が低いかどうかを確認しましょう。
バランス型投資信託は、商品名にバランス型と入っています。もしも商品名でわからない時には、商品情報を確認して投資対象がバランス型になっているものを調べてみましょう。
以上、企業型DCの運用商品を選ぶ時に失敗しないコツについてお伝えしました。これから運用を始める場合、まずは元本変動型商品を取り入れることを目標としましょう。
運用商品を選択して完了ではありません。大きく育てていくための手間も必要ですが、今回は運用成功に向けたスタートラインを切るところをお伝えしました。