はじめに
対峙せず同じ方向を見ていくこと
セミナーに参加したのであれば、資料を見せて話すことも一つの戦略です。というのも、参加した無料セミナーの開催目的が金融商品の販売などがバックエンド商品としてある場合、最終的に購入したいと思うようなストーリー仕立てになっているかもしれません。統計資料を引用していたとしても販売者目線で編集されていることもあります。
たとえば、がん保険を検討しようと話を聞いてきたとします。日本人の2人に1人ががんになる時代だから絶対必要よね。と思った時には本当にそうなのか?と検証してみることです。
最新のがん統計によると「生涯でがんに罹患する確率は男性62%(2人に1人)、女性47%(2人に1人)」という数字がアピールされています。しかし年齢別で見てみると現在40歳の男性が20年後までにがんと診断される確率=7%なのです 。
日頃からマーケティングの仕事をしている、という夫であれば、資料を確認してもらい、ツッコミを入れてもらうこともできるでしょう。このようにして、いつしか夫婦2人で共同戦線を張る形になれば理想的と言えます。
夫ブロックの解除にはプレゼンが効果的
夫からのツッコミが入ったら、やることは明確です。ツッコミに対して一つずつ納得してもらう根拠や資料を用意すればいいのです。
たとえば、iDeCoを夫名義でした場合、家計の税制メリットの金額を算出する、iDeCoの運用利回りが1%、5%など異なる場合の20年後の家計のキャッシュフロー表を税制メリットも入れてそれぞれ作成する、マイナス運用となった場合でもどこまでが損をしない分岐点になるか税制メリットを入れて作成する、など自分で作成した資料を使って夫にプレゼンする(計画を提案し納得してもらう)のです。
ここまで行えば、多くの場合、妻が本気であり、資産運用を行うことは夫婦2人のためだと夫に理解してもらえるのではないでしょうか。妻のプレゼンに不十分なところがあれば補足して、2人で協力してより良い資産運用を話しあっていけばいいのです。
これから人生100年となり、公的年金以外に自助努力で老後資金を備えることはもはや必須と言えるでしょう。それには夫婦で協力していく必要がありますし、その方がメリットも大きいと筆者は考えます。
夫婦にありがちなのが、言葉にしなくても伝わるだろうとお互いに慢心してしまうことです。それでは建設的な話はできません。
夫婦でいる年数が長いとその傾向があるかもしれません。また口を開けば意見をして反対するばかりというパターンに陥りがちと自覚している方は、ぜひ幸せな100年ライフを目指して夫婦2人で資産運用を取り入れ、長持ちする家計運営を行っていただきたいと思います。