働き方によるメリットとデメリット

「○万円以上働いたらソン」と都市伝説のように言われますが、実は、ソンをするのではなく、「トクするタイミングが違う」と思ってください。その分岐点となるのは、正社員やパートという名称ではなく、自分で社会保険料を納めるかどうかです(妻の年収が130万円、一部106万円以上)。

たとえば、月収11万円、年収132万円で働き、「A.社会保険に加入しなかった場合」と「B.社会保険に加入した場合」で、経済的にどんな違いがあるのかを試算してみましょう。

「A.社会保険に加入しなかった場合」は、給料から雇用保険料と所得税、住民税が差し引かれるため、手取りは約10.5万円です。それに対して「B.社会保険に加入した場合」は、さらに健康保険料と厚生年金保険料も差し引かれるため、手取りは約9.2万円です。同じ時間働いたにもかかわらず、社会保険に加入したほうが約1.3万円手取りが少なくなってしまいます。これが、「パートは130万円までで納めたほうがトク」と言われる理由です。

果たして、本当にそうでしょうか?

仮に30年間この条件で働いたとすると、加入しなかった場合と比較して差額は468万円(月額1.3万円×12カ月×30年)にもなります。確かに大きな金額です。

でも、厚生年金に加入するということは、老後に厚生年金からも年金を受け取れるようになります。この試算では、老後の年金が年額約21.7万円増えますから、納めた468万円を増える21.7万円の年金で割ると、21.5年生きればモトはとれる計算になるのです。65歳から21.5年というと、約87歳。女性の3人に2人が90歳まで生きる人生100年時代のことを考えると、一生もらえる年金の増額は、老後に安心をもたらしてくれます。

そのほかに、健康保険の保障も手厚くなりますから、パートか正社員かをお金の面から考える時には、今の収入だけでなく、老後の収入の情報も含めて、検討しましょう。
 

制度に合わせず、自分に合った働き方を

ご相談者さんの家計では、マイホーム購入後も500万円の貯蓄があり、家計からも毎月8万円の貯蓄ができています。保育園の間はパートでいたいというのがご相談者さんの希望であれば、今は、お子さんと過ごす時間を重視してはいかがでしょうか。

お金は子どもの手が離れた後からでも取り戻せますが、家族といる時間は取り戻せません。漠然とした不安で働き方を調整するのではなく、制度を正しく知ったうえで、自分の望む働き方と安心できる未来の実現方法をご夫婦で話し合ってみてください。