はじめに

「男女の出席率の差」に連動していた

「男性の出席率がどれだけ女性出席率を上回ったか」を計算して、グラフ化しました。そのうえで、年末の日経平均と並べてみたものが図2です。

このようにして見ると、大雪だった2013年も特にグラフに異常な動きは見られません。大雪で、男女とも出席率が低くなりますが、差をとっているため、この要因の影響は見えにくくなります。

グラフの赤線は、男性の出席率がどれだけ女性出席率を上回ったかを示しています。特にプラスに大きい時は、男性の出席率が大幅に上回っています。

次に、その年の株価との関係を見ていきましょう。たとえば、2017年は3.9%男性が上回りました。この年の年末の日経平均は2万2,765円となり、前年末と比べて3,621円上昇しました。2015年も5.4%と大幅に男性が上回り、株価も順調に上昇した年でした。

このように、「男性の出席率がどれだけ女性出席率を上回ったか」は年末の株価と連動して動いています。

男性が上回ると株価にプラスとなるカラクリ

実は、私の当初の想定はまったく逆のものでした。女性の出席率が高いほうが株高になると考えていました。

女性の成人式にかかる費用は数十万円程度になるともいわれます。一方、男性の場合は数万円以内で収まったりします。つまり、成人式にかかる費用が多い女性の出席率が高いほうが、景気や株価が良くなると考えていました。

しかし実際は、男性の出席率が高い年のほうが年末の株価も高くなる傾向が見られたのです。なぜでしょうか。これは次のように考えられます。

確かに、女性のほうが成人式にかかるお金は高い傾向があります。しかし、成人式です。懐具合が良くなくても、前後数ヵ月の他の支出を減らしてでも、晴れ舞台にお金をかけるお父さん、お母さんも少なくないのではないでしょうか。

男性の場合も、もちろん成人式は大切なイベントです。とはいえ、お金や時間にも余裕がなければ、参加しないで済ませてしまうかもしれません。ですので、男性の出席率が大きく上回るほうが、その年の年末の株価と関係があるのでしょう。

さて、今年の成人式は男女の出席率がどうなるでしょうか。実際に参加された方から聞いてみるのもよいかもしれませんし、報道などでそんなデータが出てきたらチェックしてみるのもよいでしょう。

ちなみに、2018年の調布市の出席率データ公表日は1月29日。男性が女性よりも2.7%高い出席率でした。今年はこの値より高く男性が女性の出席率を上回れるでしょうか。これから発表される今年のデータに注目です。

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