はじめに
税制改正後、住宅ローン控除はどう変わるのか
2019年度税制改正での、住宅ローン控除についての改正点は以下の通りです。
【改正点】
(1)消費税率10%が適用される住宅取得等について、控除期間(現行:10年)が3年延長されます。
(2)11年目以降の3年間について、消費税率2%引上げ分に対応するような控除額の上限を設定されます。
(1)については、消費税率が10%に引き上げられた後に取得するマイホームについては、住宅ローン控除の控除期間が、現行の10 年からプラス3年してもらえることになります。つまり、要件を満たせば13年にわたり、住宅ローン控除を受けられるということです。
(2)については、プラスされる3年間(11年目以降)の控除限度額が、次のいずれか少ない金額になります。Bの算式は、消費税率が8%から10%に2%アップするので、2%アップ分を3年間で控除してもらえるということを示しています。ただし、Aの年末借入残高の1%が限度となります。この特例の適用期間は、現段階では2019年10月1日から2020年12月31日までとされています。
A:住宅ローンの年末残高等(一般住宅の限度額:4,000万円)×1%
B:住宅取得等対価額《税抜》(一般住宅の限度額:4,000万円)×2%÷3
マイホーム購入は消費税引き上げ後の方が有利?
この特例により、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要を抑制することがねらいです。限度額に引っかからない限りは追加される3年で消費税率引き上げ分を引いてもらえることになるので、消費税率引き上げ後にマイホームを取得した方が、理論的には有利になるケースが多いでしょう。
しかし、所得要件に引っかかる年が出てきたり、マイホームの取得には建築費なども影響してきますので、消費税引き上げ前後のどちらでマイホームの取得をするのが有利であるかは一概に結論づけることは難しいです。消費税引き上げ前に買うのと引き上げ後に買うのとでは、どのように税制が違うのかを理解したうえでマイホームの購入時期を検討することが大事です。この記事がその一助となれば幸いです。