暦(こよみ)の上で一番寒いといわれる日、大寒(1月20日)は過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きます。実際、過去の気温を見てみると、本当に寒い時期は2月の上旬あたりまで続きます。

この“寒さ”ですが、景気や株価と強い関係があります。これは経済や株式市場の専門家の間での常識にもなっています。いったい、どのようなメカニズムが働いているのでしょうか。


寒い日は2月上旬まで続く傾向

気象庁のウェブサイトでは、日々の平均気温のデータが公表されています。これを使って2018年までの過去5年間の日々の平均気温を見てみました。

同じ日にちとはいえ、年によって晴れた日や曇った日、雪の日だってあります。これらの平均ですから、5年間でたまたま晴れた日が多ければ、平均気温が上がってしまいます。この点を意識しておく必要がありますが、いつ頃が寒いのかを目安に見るには十分です。

図を見ると、2月上旬までは気温の低い日も多く見られます。その後、下旬にかけて気温が上がっていく様子が見られます。

株式市場では「夏は暑いほうが景気には良いし、冬は寒いほうが良い」とされています。夏は暑ければ、エアコンの売れ行きも良くなりますし、のども乾いてビールなどの飲料の売れ行きが良くなります。消費が高まり、景気に良い話です。同じように、冬が寒いと、エアコン需要も高まります。冬物衣料などの売れ行きも期待されます。

実は、こうした考えから、昨年の夏(7月20日)に、この連載で夏の気温と株価の関係を取り上げました。実際に調べると、確かに夏が暑いほうが株価は高くなる傾向がありました。

しかし、そう単純な話でもありませんでした。余りにも暑すぎると逆に株安になってしまうという結果も見られました。極端に夏が暑過ぎると、多くの人が外出を控えてしまいます。モノも売れなくなるし、外食なども減ってしまい、消費に良くないということが理由にあるようです。

「特に寒い12月」は株価が上がりにくい

それでは、冬の場合はどうでしょうか。同じように、冬も寒すぎると株安になるのでしょうか。実際に調べてみました。

今回は1971年から2018年までの48年分の東京の気温に着目しました。1日の平均気温を月別に平均した結果が、気象庁のウェブサイトで公表されているので、毎年の12月、1月と2月の3ヵ月を取り出して、集計に使いました。

分析は次のように行いました。たとえば12月の分析は、1971年から2018年までの48年間で平均気温が“特に低かった12月”を取り出します。ここでは平均気温が7℃以下の年を、“特に低かった12月”としました。

その結果、1973年、1974年、1975年、2005年、2014年、2017年の6年が選ばれました。2017年12月といえば昨年ですね。記録的な寒さで、「平成30年豪雪」ともいわれるほど雪が降りました。

そして、それらの6回の月の日経平均株価の騰落率を平均したものが、表1の「特に寒い」の0.5%となります。12月の他の3つ(例年より寒い、例年並み、例年より寒くない)の平均と比べて、騰落率は最も低くなっています。

やはり冬のケースも夏と一緒で、寒すぎると株価には厳しいようです。あまりにも寒すぎると外出が控えられたりしますし、特に寒い日に雪が降ると経済活動にも支障が出たりもします。

一方、「例年よりは寒い」は3.8%と株価は好調です。他の3つの平均と比べて最大です。やはり「例年より寒い」冬だと、多くの人が外出して冬物消費にお金を回す機会が増えるからかもしれません。

1月の結果も同様でした。例年より寒い月を集めて日経平均株価の騰落率を取ると、3.6%と他の3つの分類に比べて最も高くなりました。