はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はたけやきみこ氏がお答えします。

現在、築20年の中古の戸建てに住んでいます。あと3年くらいで住宅ローンを完済し、その後3年したら、リフォームのために2400万円のローンを組み直す予定です。ただ、子どもが中学から私立に通う可能性があるため、教育費の準備もしなければなりません。教育費、住宅ローンの返済、老後資金はどう優先順位をつけて用意していけばいいのでしょうか。


今までの児童手当は全額貯金し、今月からは子どもひとりにつき0.5万円ずつ貯金を始めました。月4.7万円の終身保険(ドル建て10年払い)に入っており、老後資金として800万円は確保できる予定です。上の子が小学生になったら今より多く働こうと考えています。


〈相談者プロフィール〉
・女性、38歳、既婚(夫:40歳・会社員)、子ども2人(4歳、0歳)
・職業:パート
(現在育休中で月5万円の収入あり)
・居住形態:持ち家(戸建て)
・手取りの世帯月収:31万円
・毎月の支出目安:26.4万円
・貯金:100万円
(児童手当など子供のための貯金は含まない)
・負債(住宅ローン):600万円


たけや: お二人目のお子様が生まれ、にぎやかになりましたね。現在育児休業中ということですが、4月からは保育園に入園できそうですか?まもなく通知がやってくる時期ですね。

さて、今回は、家計における大きな支出の優先順位についてのご相談です。ご相談者様はアラフォー世代。子育てに、マイホームに、老後資金の準備……立て続けにやってくるライフイベントの波に悩まれるのも理解できます。

46歳から住宅ローンを組むと…

リフォーム費用が2400万円と見積もりをされています。その内訳がわかりませんので、現状の情報内での回答になります。

住宅のリフォームについては、各金融機関の提供するリフォームローンを利用することになります。リフォームの額が高額なので、借り入れができる金融機関は限られてきます。また、住宅金融支援機構の取り扱うローンにもリフォーム資金に利用できるものがあります。このローンは、耐震改修工事や、耐震補強工事を行うためのローンで、基本融資額が1000万円までとなっています。なお、財形貯蓄制度を利用されていれば、財形住宅融資(リフォーム)で財形貯蓄の合計残高の10倍までの最高4000万円の利用が可能ですので要件を確認してください。

リフォームよりも新築として建て直しをされたほうがより多くのローンを検討できると思われます。なお、再建築ができない土地であれば、リフォーム等をして住み続けることになります。

また、ご主人が現在40歳で、リフォームを実施されるのが6年後となっております。ローンは46歳から何年にわたって組まれるのでしょうか。仮に、定年を65歳としたら、定年までに完済するには20年未満のローンを組む必要がありますし、返済年数が短くなれば毎月の返済額は増えてしまいますので、家計の余力がなくなっていきます。見積もりの金額を見直すとともに、ご相談者様自身の収入アップの時期を早めることも検討する必要がでてきます。

子育て世代は、老後資金の準備まで手が回らないのが現状

教育費や住宅ローンの返済、老後資金の準備についての優先順位の考え方ですが、教育費の準備をしつつ、現在の住宅ローンの完済をしつつ、新たなリフォームのためのローンを組み、そのうえで老後資金の準備は、とてもできません。ご相談者様がすぐに正社員となって、例えば、お二人のお子様の中学から高校までの私立の学費を賄い、老後資金のために退職金も見込むくらいの計画性が必要です。

第1子がまもなく小学校に入学されます。実際は、小学校にあがったからといって多く働けるとは限りません。保育園では親が迎えに行くことが前提です。一方、学童保育では夕方以降に親の迎えが必要なところもありますが、時間によっては子ども自身で帰宅します。小学校に入学すれば多く働けると考える方は多いようですが、実は保育園のほうがしっかり子どもを預かってくれるので親は安心して働くことができます。

子どものことが心配で子どもの帰宅時間に合わせた勤務となると、正社員としての勤務が逆に厳しい状況になることもあります。公立の学童保育であれば保育料による家計への負担は減ると思われるかもしれませんが、今後、習い事や学習塾などに通うことを考えると子どもにかかる費用は増えると心づもりをしておきましょう。

そこで、何のために私立中学進学を志望するのかなど、家庭の方針(ご夫婦の哲学)を配偶者ときちんと考えてみましょう。