はじめに
ふるさと納税は、返礼品が送られるだけでなく、所得税・住民税の減税を受けることができるのも大きな魅力です。会社員や公務員はワンストップ特例制度を活用すると、確定申告が不要で、翌年の住民税負担が減り、手取りが増えます。
けれども、「ワンストップ特例の申請書を出し忘れた」、「知らない間に6つ以上の自治体にふるさと納税してしまっていた」など、ワンストップ特例制度が使えない人は、翌年以降5年以内に確定申告する必要があります。
今回は、会社員や公務員がふるさと納税をしたときの、確定申告のしかたについて具体的にお伝えします。
ふるさと納税のしくみ
ふるさと納税は、「納税」という言葉が使われていますが、税金として納めているわけでなく、単にお金を送る「寄附」です。自分が応援したい自治体などに寄附をして、自治体の発展に役立ててもらおうというものですから、どこの自治体にでも、複数の自治体にでもふるさと納税ができます。
寄附なので「寄附金控除」を受けることができて、所得が少なくなる「所得控除」や税金自体が安くなる「税額控除」が、確定申告をすることによって受けることができます。
1月1日から12月31日の1年間のふるさと納税の合計から2,000円を引いた残額が、所得税や住民税の減税の対象となります。ただし、所得によって、自己負担が2,000円となる控除額上限があるので、事前に以下のサイトなどを参考に上限額の概算を知っておきましょう。
さらに、自治体に寄附したことに対して、お礼として名産品などが送られてくる自治体が多くあります。この返礼品も大きな楽しみの一つですね。
ふるさと納税「ワンストップ特例制度」の4つの要件
通常「寄附金控除」を受けるには、確定申告が必要です。でも、ふるさと納税では、4つの要件を満たしていれば、「ワンストップ特例制度」が利用できます。ワンストップ特例を使うと、確定申告をしなくても自動的に翌年の住民税が減税となるので、確定申告の手間が省けます。
【「ワンストップ特例制度」の4つの要件】
(1)ふるさと納税していなければ、確定申告をしなくてもいい
(2)ふるさと納税をした都度、自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出している
(3)ふるさと納税をした自治体の数が5つ以下(1つの自治体に対して複数回したとしても、1つとみなされる)
(4)ふるさと納税先に申請した住所と、翌年1月1日の住所が同じ
このすべてを満たしていなければいけないので、会社員・公務員であっても「特例申請書を出していない自治体がある」「結果的に6以上の自治体にふるさと納税をした」「年内に住所が変わったことをふるさと納税した自治体に申請していない」のなら、確定申告をしないと減税を受けることはできません。
申告特例申請書を出したどうかがわからない場合は、自治体に問い合わせて確認しましょう。また、「ワンストップ特例」該当となっているのに確定申告をした場合(例えば、医療費控除を申請したなど)は、確定申告が優先されワンストップ特例は使えなくなります。その場合は、ワンストップ特例申請書を提出した自治体分も含めて、その年にしたすべてのふるさと納税分について確定申告をしてください。