はじめに
22万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターが、住まいの悩みに答えるシリーズ。今回は、住宅・不動産総合サービス「SUUMO」の田辺貴久・副編集長がお答えします。
【相談者のお悩み】
墨田区に住む31歳の会社員です。夫と子供2人(長男4歳、長女1歳)の4人で43平米の1LDK・賃貸マンションに住んでいます。結婚してすぐに住んだ賃貸マンションで1人目を産み、住みやすいこのエリアが気に入って、2人目も出産。上の子と同じ保育園に入れることができました。
ただ、子供の成長に伴い、家族4人で43平米の部屋ではさすがに手狭に感じるようになり、マイホームを購入したいと考えています。できれば今住んでいるところの近くで見つけたいのですが……。
上の子はあと2年で小学生になります。そのとき下の子はまだ保育園なので、エリアを変えるとなると、新しい地でまた保活をしなければならず、保育園に入れない可能性があるかもしれないと思うと不安です。下の子が小学校に入るタイミングを待つとすると、上の子が小学4年生になるので、転校させたくないなとも思います。
保育園や小学校を変えなくていいエリアに限定して、物件探しをしたほうがよいのでしょうか。
【相談者プロフィール】
- 本人:妻31歳(会社員)
- 家族:夫35歳(会社員)、長男(4歳)、長女(1歳)
- 現在の住居:賃貸マンション(墨田区・43平米)
田辺: ご相談ありがとうございます。今回は「エリアを変えられない場合の家探し」のポイントについて考えてみましょう。
増加する子育てファミリーの悩み
最近、今回の相談内容に似たようなご相談が増えてきています。保育園に入れた状態で、通えない範囲にエリアを広げて家探しをする気持ちには、なかなかなれないかもしれません。
相談者は、現在4歳と1歳のお子さんがいらっしゃいます。お子さんの進学に影響が少ないタイミングで住み替えをするとなると、下のお子さんが中学校に入学するタイミングまで待つことになります。そうすると、10年以上先になってしまいますね。
もしくは、上のお子さんが小学校に入学するタイミングまでに住み替えるとすると、2年以内となりますが、その場合は今の保育園からの転園が必要になります。
もし、転校・転園になることも許容できるのであればエリアを問わず探せますが、「小学校・保育園が変わらないこと」が第1条件であれば、やはりエリアを限定して物件を探すことになります。
エリア限定の家探しの注意点
今の保育園に通える範囲、あるいは小学校の学校区内など、狭いエリア限定で物件を探す場合、マンションでも一戸建てでも、「5年経っても条件に合った物件が出てこない」というケースもあります。なるべく早めに物件を探し始めるのがオススメです。
物件を探す際、なるべく幅広い選択肢を候補にしたほうが良いかもしれません。たとえばマンションか一戸建てかは、なんとなくの思い込みでどちらがいいかを絞り込みがちですが、どちらがより自分の家族にとって合うのか、メリットが多いかで比較してみると良いでしょう。
たとえば一戸建ては、子供の足音や声が響かないなど、上下階の居住者に気を遣うことが避けられるというメリットがあります。一方、マンションはセキュリティ性が高く、同世代の子育て世帯が集まることも多いため、コミュニティができやすいというメリットもあります。