つみたてNISA(積立NISA)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)によって、投資信託が身近なものになった方も多いでしょう。

とはいえ投資信託はまだ玉石混交の世界。中には好条件をうたいながら、実は高い手数料を支払っていたり、儲かりにくい構造になっていたりする投資信託もあるのです。

今回は、そんな投資信託を勧められて「これいいかも?」と思ったときに、チェックしたいポイントを紹介します。


元本確保型の投資信託で注意しなければならないポイント

投資信託の中には、「元本確保型」と呼ばれるものがあります。最近では、アセットマネジメントOne「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」が資金を集めて話題に。他に、T&Dアセットマネジメント「モルガン・スタンレー社債/マルチアセット運用戦略ファンド」などがあります。

元本確保型の投資信託は、投資家から預かったお金で外国の社債などの債券を購入します。そして、毎年受け取れる一定の利息から、信託報酬にあたる費用を穴埋めすることで、元本を確保しようとします。

そのうえで、残りの利息で運用を行い、利益が出ればその利益から成功報酬を差し引いた上で投資家に還元します。

私たちが受け取れるお金=債券の利息-信託報酬-成功報酬

【見抜くポイント】
実際に受け取れるお金はどれくらいあるのか

少々ややこしい仕組みですが、これなら損失が出ないように感じられるかもしれません。
しかし、注意すべきポイントがいくつかあります。

注意点1:「元本保証」ではなく「元本確保」

元本保証は、元本の額面が減らないうえ、もし金融機関に万が一のことがあってもきちんと返ってくることをいいます。しかし、元本保証をうたっていいのは銀行の普通預金や定期預金など、限られたもののみ。しかも、保証される金額は最大で1000万円とその利息までと決まっています。

では、元本確保型の投資信託も元本が減らないのかというと、そんなことはありません。投資信託はリスクのある金融商品ですから、たとえば購入した社債の発行体が倒産するなど、万が一のことがあれば元本が確保されない恐れがあります。元本保証と元本確保は別のものだということを押さえておいてください。

【見抜くポイント】
「元本保証」と「元本確保」を混同しないこと

注意点2:金融機関の目線で考えると「おいしい投資信託」

金融機関は「販売手数料」を受け取りながら投資家のお金で社債を購入し、信託報酬をもらいながら運用できます。しかも、運用がうまくいけばそこから成功報酬を受け取りますし、うまくいかなくても特に罰則はありません。なんともおいしい投資信託だといえるでしょう。

【見抜くポイント】
販売手数料など投資家にとって不利な手数料になっていないか

注意点3:途中で購入できない「単位型」投資信託

投資信託には最初の一定期間しか購入できない単位型と、いつでも購入できる追加型(オープン型)の2種類があります。元本確保型の投資信託は、単位型になっていることが多いようです。

投資信託は値動きのある金融商品なので、積立で購入すると平均購入価格を下げることができますが、単位型の場合は積立ができません。つまり、購入後に価格が下落した場合、対応しにくいと考えられます。

【見抜くポイント】
「単位型」なのか、「追加型」なのかで商品の性質は全く異なる

注意点4:信託期間が決まっていて、中途解約で損をする可能性も

元本確保型の投資信託の信託期間(運用期間)は10年など、あらかじめ決まっています。この間に中途解約すると、解約控除が差し引かれて損失を被る可能性があります。かなり長い期間、資金が拘束されてしまう点にも注意が必要です。

【見抜くポイント】
信託期間が「有限」なのか、「無期間」なのかで商品の性質は全く異なる