はじめに

朝、家を出てから、夜、帰宅するまでの行動を振り返ってみると、昔と比べて現金を使う場面が減ってきていることに気がつきませんか? 通勤には「Suica(スイカ)」を代表とする交通ICカード、社員食堂でのランチの支払いはICコードが搭載された社員証を、帰宅途中で立ち寄るコンビニでも、タクシー代を支払う場面でも、スマホをピッとかざして支払い完了。

こんなキャッシュレスの時代ですから、お財布の中に入れるべきものも変わってきているはず。そこで今回は、イマドキのお財布の中身について考えてみましょう。


いまや現金がなくても生活できる!?

過去を振り返ってみると、家を出てからお財布を忘れたことに気がつくと、その日は一日不安を抱えながら過ごしていませんでしたか? 友人や同僚にお金を借りて、そのお金が足りなくならないように値段を気にしながらやりくりをした経験が私にもあります。

しかし、今は昔。お財布を忘れたとしても、スマホがあれば電子マネーをチャージして外食施設やコンビニなどで支払いができるので、それほど困ることはありません。

日銀が発表している「決済動向」によると、プリペイド式の電子マネーの発行枚数は、2016年11月末時点で3億2,583万枚。そのうち携帯電話で支払う電子マネーは3,068万枚とのこと。

ちなみに、2015年末時点が2億9,453万枚(うち携帯電話2,887万枚)、2014年末時点では2億5,534万枚(うち携帯電話2,722万枚)ですから、かなりの勢いで電子マネーを使う人が増えていることがわかります。

家計における支出を改めて振り返ってみても、家賃や公共料金などの固定費は銀行口座からの自動振替やクレジットカード決済。交通費は交通系ICカード、外食やスーパーでの食料品など買い物もクレジットカード決済。日用品はAmazonや楽天などのECサイトでこれまたクレジットカード決済。コンビニや自動販売機でジュースを買うのは電子マネーと、日々の生活が現金要らずになってきていますよね。

キャッシュレスのメリット・デメリット

現金をあまり必要としないことのメリットはいろいろあります。まず、わざわざATMでお金を引き出す必要性が少なくなります。忙しい私たちにとって、ATMに行く時間を気にしなくてよいのも、ATM利用手数料や無料時間帯を気にしなくてもよいのも、ストレスフリーでいいですよね。また、紙幣や小銭で財布の中がゴチャゴチャになることもなくなり、お財布の中がスッキリするのもメリットのひとつといえます。

しかし、実は便利さの陰に隠れた大きなデメリットが潜んでいることを忘れてはいけません。最大のデメリットは、お金を使った感覚が薄くなりがちなこと。現金よりも気軽に買い物ができるので、しっかり気を引き締めておかないと出費も増えてしまいます。

かつては外出先でのどが渇いても、硬貨がなければ飲み物を買うことを我慢していたかもしれません。でも今は自販機でもクレジットカードや電子マネーをかざすだけで飲み物を買うことができます。我慢ではなく消費が当たり前になってしまうと、1本はたった150円でも、チリが積もることでそれなりの金額になってしまうかもしれません。

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