はじめに

ダブル厚生年金の落とし穴に注意を!

では、夫婦2人暮らしの老後生活の落とし穴は、何かというと、配偶者の死亡です。

配偶者が受け取っていた基礎年金、厚生年金がなくなってしまいます。遺族厚生年金があるのですが、遺族年金は厚生年金の4分の3です。しかし、厚生年金を受け取っているので厚生年金の受給額が減額になります。結果、遺族厚生年金は受け取れないということになります。

2人暮らしが、1人暮らしになったからと言って食費や生活費、住居費が半分で暮らせものではありません。たとえば、夫婦あわせて月額30万円の年金を受け取ったとすると、それが月額15万円になってしまうのです。こうなると生活が、厳しくなります。この場合には、支出の見直しが必要かも知れません。

理想的な老後資金の準備は、公的年金だけでまかなえる生活費に変えること

配偶者の死亡というのは、経済的にも精神的にもこたえるものです。経済的なものを補うには、老後資金が必要になってきます。そのための貯蓄はある程度は必要です。

私の考える老後資金の理想的な準備の仕方というのは、次のような考え方です。老後の生活費は、公的年金を使って毎月の収支を同じにするようにします。

貯蓄で持っているお金は、旅行などのレジャー費に使います。また、もしも介護が必要になったときや、配偶者の死亡によって収入減になったときの備えの資金としてとっておきます。

なにはともあれ、夫婦共稼ぎの人は、夫婦仲良く長生きをするのが、もっともいい老後資金の準備の仕方だと確信しています。

長尾 義弘
NEO企画代表・日本ファイナンシャルプランナー会員(AFP)
大学卒業後、出版社の編集部に勤務。何社かの出版社を渡り歩き、何冊かのベストセラーに携わる。その後、1977年にNEO企画を設立。2004年に2級FP技能士を修得。現在、日本ファイナンシャルプランナー会員(AFP)。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。若干オタクが入っているほど経済とアニメが好き。著書・監修は、「金持ち定年、貧乏定年」(実務教育出版)、「別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』」(宝島社)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社)など多数。

元記事:共稼ぎは最強の老後資金対策! 厚生年金をダブルで受け取る夫婦の落とし穴は?

(この記事はMochaからの転載です)

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