はじめに

一括投資はNG!時期を分散して投資する

現在の貯蓄の金額からすると、「日々出入りするお金」「5年以内に使い道が決まっているお金」を差し引いても、余裕資金としてそれなりにまとまった金額が残ることが想像されます。

前述の通り、住宅ローンの借り入れ金利が0.6%ということなので、住宅ローンの金利以上の利回りで運用できる商品は多いでしょう。とはいえ、これからお子さんの教育費がかかり、住宅ローンの返済が残っていることを考えると、できるだけリスクを低くしながら安定的に増やしていきたいもの。選択肢としては、国内外の株や債券、不動産などに幅広く分散投資をしているバランスファンドなどが考えられます。

ただし、まとまった金額を一括で投資するのはおすすめできません。例えば、100万円を投資する場合、10万円ずつ、期間をあけて投資するなど、時期を分散して少しずつ投資をすることが大切です。時期を分散して投資をすることで「ドル・コスト平均法」の効果が得られ、値動きの幅が安定します。

借金を返すことも立派な資産運用

投資をして積極的にお金を増やしていくのも良いのですが、投資は増える可能性がある反面、大きく減らしてしまう可能性もあります。現在、マイナス金利政策の影響で住宅ローンの金利は最低水準にありますが、ローンに対する利息負担は決して軽くはありません。余裕資金がそれなりにあるのであれば、繰上げ返済をして今後負担する利息を軽減させることも検討してみてもよいでしょう。

ご相談者さんの住宅ローンの詳細な状況が把握できてないので、あくまでも架空のシミュレーションですが、例えば、金融機関から5000万円のローンを0.6%で35年間借りたとします。そうすると、総返済額は、約5545万円になります。

もうすぐ住宅ローン減税の適用が終了するとのことですので、10年間ローンを返済し終わったあとに、300万円の繰上げ返済(期間短縮型)をすると、約46万円の利息が減り、返済期間も2年2ヵ月短縮になります。

なお、ローンにかかる利息は、借入残高に対してかかるので、繰上げ返済の時期が早ければ早いほど効果があります。

仮に上記の例で15年間ローンを返済し終わったあとに、300万円の繰上げ返済(期間短縮型)をすると、利息の軽減効果は約36万円と、10年間ローンを返済し終わったあとに返済するよりも10万円も違いがでます。ちなみに、返済期間は2年1ヵ月短縮になります。

投資で増える可能性に目をむけつつも、繰上げ返済をして確実に借金を減らすことにも目を向け、バランスを見ながら考えましょう。

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