はじめに
人生100年時代。長生きする時代だからこそ、どんな基準で家を選んだらいいのか迷ってしまうことはないでしょうか。快適で、いつまでも住めて、いざとなったら売れる家が欲しい――。そんな欲求を満たす家として、今、タワーマンションに注目が集まっています。
その理由を住宅評論家の坂根康裕さんと、「ブリリアタワーズ目黒」を手がけた東京建物の、住宅事業企画部 遠藤崇CRM室長、東京建物不動産販売 天野玲目黒支店長にうかがいました。
ブリリアタワーズ目黒が持つ魅力
――これまで数多くの住宅、マンションを見てきた坂根さんにとって、ブリリアタワーズ目黒はどんな印象でしょうか。
坂根さん: 目黒駅は改札口が標高31メートルという、山手線の駅でも数少ない高台の立地なんです。高さでいうと、湾岸のマンションの10階あたりとだいたい同じです。
さらに、ブリリアタワーズ目黒があるエリアは南傾斜なので、南方向に上下左右にどんどん視界が開けています。この立地に超高層のタワーマンションがぜいたくに建っているというのは、かなり希少性が高いといえます。
個人的には、「花房(はなぶさ)山」という立地が気に入りましたね。面積があまり大きくないからそこまで有名ではありませんが、「城南五山」(かつて新興高級住宅街として知られた、山手線目黒駅から品川駅にかけての島津山、池田山、花房山、御殿山、八ツ山の5エリア)はもう住所に残っていない、憧れのエリアです。
古くから東京を知っている人にも魅力的な立地ですし、まったく東京を知らない地方の方から見ても「山手線のこの駅にこんな物件が」思わせるのが、大きな特徴ですね。
遠藤室長: 敷地内には花房山というエリア名を生かして、自然を感じるような植栽や水路を整備しています。都市の真ん中でもどこか牧歌的な雰囲気を感じられるタワーになっていると思います。
建物の特徴としては、ノースレジデンスとサウスレジデンスでエントランスホールのしつらえも大きく変えていますので、それぞれ違った楽しみがあると思います。ビューラウンジなど最上階の共用部も、デザインが特徴的です。
――そういう意味では、人気物件となるすべての条件を兼ね備えていると?
坂根さん: 実は中古マンションで決定率が高いのは、エントランスと外観が魅力的なマンションなんですよ。最近の新築分譲マンションはエントランスと外観にことさら力を入れるという流れが数年前から出てきていて、吹き抜けの背の高いエントランスで「ホテル以上では?」と思うようなしつらえだったり。
天野支店長: ブリリアタワーズ目黒は共用部もぜいたくな作りで、タワーごとの特徴がはっきりしていますね。サウスレジデンスのエントランスホールは床が天然御影石で、ラウンジに壁がないデザイン。ノースレジデンスのエントランスホールは天井高が3階分くらいの吹き抜けで、CM撮影にも使われています。
天井高が3階分の吹抜けが印象的なノースレジデンスのエントランスホール
坂根さん: 私は目黒に土地勘があるので、駅前のあの場所にタワーマンションが建つと聞いた時は、ちょっとびっくりしました。
遠藤室長: もともとバスの操車場があったところで、エアポケットのような場所だったんです。目黒駅の目の前という立地ですが、駅前ロータリーの間にオフィスタワーを挟んでツインタワーが建っているので、駅前の喧騒をあまり感じさせません。
天野支店長: 目黒駅は歓楽街みたいなガヤガヤした感じではなく、ちょっと行けばおしゃれなインテリアショップがあったり、大人の隠れ家的な飲食店もあったり、リーズナブルな大衆居酒屋もあります。
人気のスポットの中目黒、恵比寿、渋谷や、オフィス街のある品川、丸の内、新宿も30分圏内。アクセスの良さも特徴です。スーパーマーケットも駅前に数店あり、どこも22〜23時まで営業しています。非常に生活しやすいエリアだと思います。
人気物件に浮かび上がる3つの傾向
――山手線だけでなく東京メトロ目黒線も通っているので都心に地下鉄でもアクセスできますし、周辺道路もあまり混まないのでクルマで移動する人にとっても便利な場所ですよね。メリットばかりが目立ちますが、「都心に住む」ことよる不便さや不満は特にないのでしょうか。
坂根さん: あるとしたら価格くらいではないでしょうか(笑)。ひと昔前は、都心に対して「治安が心配」「空気が悪い」といった良くないイメージもあったと思います。でも、2003年に東京都が排ガス規制(ディーゼル車規制)を行なったことで、環境が良くなり、都心でマラソンも開催できるようになりました。
しかも、首都圏3環状道路がこれからどんどんつながっていくことで、都心の渋滞が減っていくんですね。排ガス規制をしてクルマも減る、空気がどんどん良くなっていって緑も増える。都心はこれからどんどん良くなっていくんです。なので、どんどん物件の価格も上がっていくと思います。デメリットは価格との折り合い。ほかには思いつきません。
坂根康裕…1987年株式会社リクルート入社。『都心に住む』『住宅情報スタイル 首都圏版』編集長を経て、2005年独立。現在は高級マンションを中心に取材、執筆等活動中。運営WEBサイト【プロ厳選】注目のマンション2019
――売却も視野に入れて資産価値の高いマンションを選ぶ人は増えています。ブリリアタワーズ目黒に代表されるように、都心では特にその傾向が強いのでしょうか。
坂根さん: それは確かです。ただ、ここ最近、都心の資産価値の高い物件のマーケットが複雑になってきています。
パターンは大きく分けて3つ。1つ目は、自分たちで住む家を探している高収入カップルです。
夫婦それぞれの年収が高くて出産後も共働きを続けたいという人は、最寄り駅や都心の職場に近い「便利なところ」に住みたいという欲求があります。しかも、今は金利が安い。それで、夫婦合わせれば1億円のローンが組めるというカップルが増え、都心の新築分譲マンションや中古の高級マンションを探しています。
2つ目は、相続税対策です。2015年に法律が変わり、基礎控除が4割圧縮されました。現金で持っていると相続税がかかってしまうので、不動産を購入して節税する人が増えました。
この場合、自分で住む家ではないので、生活圏から離れていても問題ありません。そのため、全国の富裕層が都心の高級マンションを買うようになりました。これは数年前までにはなかった現象です。
最後は、投資目的。さまざまな企業や個人が、資産運用のために希少性の高い物件を買い求めています。今は、こうした人たちが、ブリリアタワーズ目黒のような駅近の大規模タワーマンションに集まってきています。
天然大理石が敷かれ、壁のないデザインになっているサウスレジデンスのエントランスホール
天野支店長: ブリリアタワーズ目黒のオーナー様も約4割は実際に居住されていますが、6割は外部オーナー様です。全国各地のオーナー様が、東京の大学に進学したお子さんの居住用や、市況に合わせた売却や賃貸など、相続税対策を兼ねたさまざまな目的で購入されています。
661戸分譲して約半分が1億円以上の物件ですが、7〜8割近くの方が現金で購入されました。竣工後も棟内で買い増したいという方がいらっしゃり、実際に3部屋目、4部屋目を買い増しされた方もいます。
坂根さん: ここ数年、新築分譲マンションの初月契約率は好不調の目安とされる「70%」を下回っています。でも、実際にマーケットの中身を見ると、高くても売れている物件があったりと、「売れる・売れない」が二極化している状況ですね。