国の政策の目玉の一つとして掲げられている大学無償化が注目を浴びています。高校卒業後の進学費用は家計にとって大きな負担がかかります。費用の工面の方法としては家計や貯蓄から捻出する方法のほかに、奨学金やローンを利用する方法があります。

私個人は奨学金については否定的な考えをもっています。多くのお金を借りてまで、子どもは大学進学を熱望しているのでしょうか。そういう肝心なところが家庭内でうやむやになっていないでしょうか。

大学に進学するのなら、なぜもっと早くから準備をしていないのか、それでも足りないのなら、そこも早い段階に子どもへ相談しておくべきです。高校生になればアルバイトで足りない分を貯めることだってできるでしょう。

周りに流されて、奨学金ありきで進学の話がすすんでしまうのは、子どもの意思を考えていないようにも感じます。わが子の将来の人生設計に大きく関わってくることだと気づくのは、奨学金を借りきった卒業後のことになるのです。


奨学金と大学無償化(高等教育無償化)

奨学金には、貸与型と給付型があります。代表的なのが、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金です。高校3年生になると、奨学金について学校から生徒に向けて説明があります。高校3年生のうちから予約採用されることで進学先へ入学後速やかに貸与されます。

また、大学無償化は2020年度が元年になります。3月にある高校で講演した際に、来年から始まるこの制度について触れました。保護者の関心はとても高く、もらえるお金があるならもらいたいし、免除されるならそれに越したことはないという想いでしょう。

しかし、奨学金や大学無償化には、家計基準があります。特に、大学無償化のボーダーライン前後の世帯にとっては、ヤキモキする気持ちが募るばかりでしょう。

国の支援策はすべての学生向けではない

高校まで私立でなければ、学費の家計への負担はさほどありません。私立でも高校なら所得に応じて助成があります。しかし、高校卒業後はそうはいきません。なぜなら、何百万円ものお金がかかるからです。

公立の高校に通っていると、無償化の恩恵を受けていればほぼ費用はかかりません。積立金などを徴収されるくらいでしょう。したがって、これまでに教育費にお金がかかってきていないので、大学や専門学校でかかる費用については正確に認識していない保護者に出会うこともあります。子どもが合格を勝ち取っても、入学金等を納入できなければ入学すらできません。初年度にはまとまった費用がかかるため、それを用意できずに入学ができないという最悪の事態は避けたいものです。

公的な支援は、すべての学生に対して網羅されるわけではありません。家計基準などの要件を満たさなければ、どの公的な支援や制度も利用ができません。

子育てが落ちついて、ようやく夫婦でガッツリ働きだした頃に、この家計基準を超してしまうケースもあります。所得はあっても、十分な貯蓄をしてきていないと奨学金に頼ることになります。それがダメだとなると八方ふさがりになってしまいます。国の教育ローンも借りられずに、民間の銀行の教育ローンを利用するというケースはまれではありません。