はじめに
一般的なFPは具体的な商品までアドバイスできない
次に、このような相談ができる独立系アドバイザー、ファイナンシャルプランナーの選び方についてご説明させていただきます。
まず、一つ認識しておいていただきたいのが、一般的なファイナンシャルプランナーは、個別具体的な商品についてのアドバイスができない、ということです。
一般的に相談料を受け取る形で相談を受ける場合、ファイナンシャルプランナーは、具体的にどの商品がおすすめです、といったことはアドバイスできません。これは法律で定められているためです(個別銘柄等についてアドバイスするためには、投資助言・代理業という、金融商品取引法の規定によって、内閣総理大臣の登録が必要になります。なお、登録されている業者は、金融庁のウェブサイトで確認できます)。
その点をご理解いただいた上で、ぜひともおすすめしたいのが、アドバイザーに相談する前に投資信託やつみたてNISA等に関する本を読むなどして、基本的な事項をある程度理解しておくことです。仮に、いいアドバイザーに相談に行ったとしても、アドバイザーのアドバイスが適切なのかどうか、ある程度は自分で判断できるようにしておいた方がよいでしょう。
FPに相談する前に読んでおきたい「おすすめの2冊」
そのような意味で、おすすめの書籍を2冊ほどご紹介させていただきます。
1.『改訂版 一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門』
竹川 美奈子 (著)
「そもそも投資信託って何?」というところから始まり、投資信託の手数料やインデックスファンドについての説明など本格的なところまで丁寧に解説されている本です。
2.『“税金ゼロ"の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資』
田村 正之 (著)
投資信託そのものというより、つみたてNISAやiDeCoといった投資信託を使って投資する際に利用する制度や口座に焦点を当てて書かれた本です。
アドバイザーに相談される際には、ぜひこれらの本を読んで予習してから行かれることをおすすめします。また、この2冊では物足りないという方は、1冊目の巻末に「参考図書」も紹介されていますので、そこで紹介されている本を中心にさらに読み進められるとよいと思います。
その上で、実際に独立系アドバイザーを探して相談される場合には、次のようなポイントに注目して探してみるのがよいでしょう。
・その独立系アドバイザーの経歴を見て、証券分野について詳しそうか。
・その独立系アドバイザーに相談するのは有料か。
・その独立系アドバイザーは、どのような形で収益をあげているのか。
金融機関に属さない独立系アドバイザーといっても、金融商品仲介業者としてビジネスを行っているIFAと呼ばれるアドバイザーもおり、そういった方は、金融商品仲介の手数料等を収益の源泉としているのが一般的です。
相談相手の立ち位置を確認して、自分の相談ニーズに合うかどうかという観点で探してみるのがよいかと思います。
以上、ポイントをまとめますと以下のようになります。
1 つみたてNISAやiDeCoで対象となっている投資信託から選ぶ
2 具体的には、世界の株式を対象に幅広く分散して投資するインデックスファンドで、できるだけ運用コストの低いものを選ぶ
3 アドバイザーに相談に行く前に、入門書などに目を通して、事前にある程度の知識をつけておく
4 アドバイザーの立ち位置を確認し、自分のニーズに合った相談ができる相手を探す
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