はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、36歳のパート主婦。教育費や老後の蓄えに加えて実家の相続まで、マネープランの描き方について悩んでいるといいます。FPの三澤恭子氏がお答えします。

高校までは公立の予定ですが子供2人の教育資金がいくらかかるのか、今のペースの貯蓄で老後の蓄えは足りるのか、そして親の家(駅近のマンション築25年)を相続するまで賃貸で生活した方がいいのか、それとも中古物件などを購入した方がいいのか、この3つについて教えてほしいです。通信費が高いですが、最近機種代を払い終えたので、格安スマホに変えようと検討中です。アドバイスよろしくお願いいたします。


〈相談者プロフィール〉
・女性、36歳、既婚(夫:37歳、会社員)、子供2人(0歳、4歳)
・職業:パート
・居住形態:賃貸
・毎月の世帯の手取り金額:31万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:80万円
・毎月の世帯の支出目安:約27万円


<支出の内訳>
・住居費:7万円
・食費:3万円
・水道光熱費:1.7万円
・教育費:3.5万円
・保険料:3.7万円(学資2万円、個人年金1万円、医療0.7万円)
・通信費:1.8万円
・車両費:1万円
・お小遣い:4万円(夫3万円、妻1万円)
・その他:1万円


<資産状況>
・毎月の貯蓄額:5万円
・現在の貯蓄総額:300万円
・現在の投資総額:500万円(優待ねらい)
・その他:住宅財形240万円、iDeCo50万円
・現在の負債総額:なし


三澤: ご相談ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの三澤恭子です。親御さんの家を相続するまで賃貸暮らしを続けるべきか、どのようにライフプランを立てたらよいのか悩んでいる様子が伝わってきます。一緒に考えていきましょう。

教育は実際にいくらかかるのか?進路別に確認

まずはお子様の教育資金からみていきましょう。高校までは公立の予定とのことですが、幼稚園から高校までの教育費の総額は次の通りです。

幼稚園から高校まですべて公立とした場合、教育費の総額は約540万円、私立は公立の3.28倍の約1770万円となります。また、公立・私立幼稚園ともに教育費のうち授業料(保育料)は、令和元年10月より幼児教育・保育の無償化により負担がなくなります。

次に大学別の学費総額もみていきましょう。

学費総額は国立大学では約243万円。一方、私立大学は学部によって大きく変わってきます。国立大学と比べても文系で約150万円、理系で約300万円、医歯系で約2000万円高くなっています。

また親元を離れ進学した場合は、学費以外に住居費や食費といった生活費もかかってきます。

日本政策金融公庫の平成30年度「教育費負担の実態調査結果」によると、自宅外から通学を始めるための費用(アパートの敷金・礼金・家財道具の購入費など)は1人あたり平均37.4万円。また、年間の仕送り額は平均90.8万円(月額7.6万円程)となっています。一人暮らしの場合、さらに400万円~600万円(37.4万円+90.8万円×4または6年間)の準備も必要になります。

お子様2人の大学資金として、私立理系を目安とするなら、一人暮らしの費用も含めて1人1000万円ずつを準備できると、学校選びの選択肢が広がりそうです。

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