はじめに

タイミングによっては、日本で年金の支払いが発生することも?

日本の年金はないとのことですが、日本在住者は60歳まで年金の支払い義務が発生します。どうしても支払いたくないのであれば、リタイアのタイミングを60歳以降にずらすなどの対策が必要です。

ただし平成29年8月より、海外在住者で日本の年金を支払ったことがある方の場合、年金を受給するために必要な期間が25年から10年に短縮されています。滞在国によっては社会保障協定が発効されており、年金の加入期間を通算することも可能です。国によって特例等もありますので、日本で年金を支払うべきかどうか、できるだけ損をしないためにはどのようにするべきかを知るためにも、リタイアを決める前に必ず、社会保険事務所で相談するようにしてください。

令和元年の年金保険料は1万6410円ですが、保険料は年々上昇しています。仮に保険料を1万7000円とした場合、ご本人が日本で支払う年金保険料は1万7000円×12ヵ月×5年(60歳まで)=102万円。奥様が支払う年金保険料は1万7000円×12ヵ月×7年(60歳まで)=142.8万円。夫婦で244.8万円、支払うことになります。

セミリタイアとのことですので、働き続け社会保険に加入する場合は給料天引きで半額の負担で済みますが、社会保険に加入しない場合は自分たちで負担しなければならないことをお忘れなく。

リタイア後を見据えて支出をセーブすることも視野に

現状の資産内容で推移した場合、現地での住宅ローンは物件を売却することで完済が可能。預貯金として毎月90万円、年間で1080万円貯蓄できていますので、相談者様がセミリタイアするまでの14年間で1億5120万円貯蓄できる計算です。現在の貯蓄残高3800万円、投資額は1100万円ですので、リタイア時には2億20万円貯まっていることになります。

この数字から考えていくと、購入する物件にもよりますが、現状のままの生活を続けていけば特別なことをする必要はありません。

しかしながら、気になるのが食費とお小遣い。ある程度の収入を得るためには、必要となる経費はかさみます。これは仕方ないことなのですが、夫婦2人で食費が12万円なのはかかりすぎです。すべて外食なのかもしれませんが、手作りの日を増やす等、支出を抑えることを考えてみてください。

お小遣いは36万円! 充分な収入があるので家計的には問題はないのですが、セミリタイア後にも同じ水準で生活できるのかは疑問です。

相談者様の場合は、貯蓄をするために支出をセーブするというよりも、将来の生活を見据えて支出をセーブすることを考えて欲しいと思います。多くの人がうらやむ生活を手に入れていらっしゃる相談者様ですので、セミリタイア後にも素敵な生活が送られることでしょう。

将来のビジョンを明確にし、お二人のライフスタイルを確立するようなプランを考えて欲しいと思います。

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