はじめに
1.内臓脂肪は「やせホルモン」を殺す!
内臓脂肪が増える一番のデメリットは「役立つホルモンの動きを悪くする」ということ。
本来、内臓脂肪が分泌するホルモンは、身体の機能を維持するために働きます。しかし、肥満によって内臓脂肪が大型化したり増えてしまうと、食欲を抑える「レプチン」や脂肪を燃焼させる「アディポネクチン」など、いわゆる「やせホルモン」の働きが弱くなってしまうのです。
そうなると、やせにくく太りやすい「デブ・スパイラル」を招いてしまうことになります。
2.内臓脂肪は生活習慣病を引き起こす
内臓脂肪は生活習慣病の原因にもなります。
たとえば糖尿病です。前述の「アディポネクチン」は、傷ついた血管を修復したり、インスリンの働きをよくして血糖をコントロールしたりする役割も担っています。しかし、内臓脂肪が増えると分泌が減り、インスリンの効きが悪くなります。
他にも内臓脂肪が増えると、高血圧のリスクが高まったり、悪玉コレステロールが増えることで脂質異常症になったりもします。それらの生活習慣病は、ひいては動脈硬化につながって、脳梗塞や心疾患など命に関わる病を引き起こすのです。
以上のように、内臓脂肪は「お腹が出る」「太る」のみならず、健康を脅かす存在でもあります。
でも安心してください。内臓脂肪は「つきやすく落ちやすい」脂肪です。
糖質制限や運動などの挫折しやすいダイエットをしなくても、毎日の食事や生活習慣を少し変えるだけで、内臓脂肪は減らすことができます。本書では、1日に100グラム程度ずつ体重が落ちて内臓脂肪を減らせる簡単なダイエットのコツを解説しています。その中から簡単で努力も必要ない「やせる食べ方」をいくつか紹介しますので、ぜひ試してみてください。