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鉄道の「レールの断面」には、なぜ“くびれ”がある?

レールの歴史をひもとく

ビニョルレールから平底レールへ

双頭レールには大きな弱点がありました。それは、レールをしっかりと支える大掛かりな支持台がないとまくらぎに締結できないということです。まくらぎの上に、どちらか一方の「頭部」を上に向けて置くと、左右方向に不安定になるからです。

そこで、双頭レールよりも容易に締結できるレールが考案されました。その代表例に、1830年代にイギリスで考案されたビニョルレールがあります。これは、双頭レールの「頭部」の一方を平らにして、幅を広げたような断面で、現在の平底レールの背を低くしたような構造になっていました。

その後、改良を重ねて、現在使用されている平底レールが開発され、世界中に広がりました。生産性を重視しながら、磨耗しやすい「頭部」を上下方向に分厚くしたり、「底部」をまくらぎに締結しやすくするなどの工夫を繰り返し、ブラッシュアップした結果です。

くびれの理由は?

では、なぜ「頭部」と「底部」の間が細くくびれた形になったのでしょうか。これは、成形が容易であるだけでなく、材料を節約できるという利点があるからです。つまり、圧延(ローラーを使って材料に力を加えて成形する方法)によって成形しやすい形であるだけでなく、必要な剛性や強度を保ちながら、断面積を減らし、使う材料を減らすことができる形でもあるのです。力学的合理性とコストパフォーマンスの両立を目指したという点では、近年建材で多用されているH形鋼とも似ていますね。

以上、レールの断面形状の歴史をざっくりと説明しました。割愛した部分もありますが、人類が試行錯誤を繰り返して、現在の断面形状にたどり着いたことは、ご理解いただけたかと思います。

溝付きレール
それでは最後に、トリビアを1つご紹介しましょう。現在、日本の鉄道の一部区間では、断面が上の図のような形をしたレールが使われています。さあ、このレールは、どのような区間に使われているでしょうか。

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