キャリア

短大卒から年収1250万円、“転職の達人”motoさんが実践する「軸ずらし転職」とは

年収は業界×職種で決まる

――今やmotoさんのように1社にとどまらず、自分の能力で会社を渡り歩く生き方が日本でも徐々に浸透してきています。私たちが実際に「軸」をずらして違う職種や業界に挑む場合、履歴書や面接ではどんな点をアピールすべきでしょうか? 一般的には、「今の会社では営業成績トップで社長賞を取りました」みたいなポイントが浮かびますが……。

moto:大事にすべきは、「なぜ自分の仕事の、どの部分が(今の会社で)評価されたのか」という点です。「賞を取るまでのプロセス」や「なぜこの賞をもらえたのか」という部分を理解することが大切です。

今の会社の評価=転職市場での評価というわけではありません。今の会社でもらった賞は、転職市場においてどういう価値があるのか、その価値は、自分のどの部分が評価されたものなのか、を考えるのが大事です。社内の評価は必ずしも社会からの評価とは一致しないのです。

例えば、昨今話題になったリクナビ問題(運営会社が学生の内定辞退予測の情報を企業に販売した)などはいい例ですよね。あのサービスは社内で評価されて表彰されていたそうです。しかし、世の中の評価は厳しいものだった。社内の賞は、必ずしも世の中の評価とはマッチしないのです。社内の表彰が全てではないのです。

社内で賞を取れなくても、転職で評価される人はたくさんいます。賞自体に価値はあるわけではない、という認識をすることが大切だと思います。

――motoさんは実際にSNS上などで転職の相談を受けることも多いですね。なかなかキャリアチェンジしづらい業種や業界の人が、軸ずらし転職で突破口を見出させた事例はありますか?

moto:最近だと、介護施設で管理栄養士をしていた人が、食品メーカーに転職した事例がありました。管理栄養士は、職場を変える転職をする人が多いですが、食品を作るメーカーに転職することで大きく年収をあげることができていました。

現場で調理をこなすだけでなく、その上流の食品を提供する側に回ることで、現場の経験を活かし、転職したのです。

「軸をずらす」先は多くあるので、同業同職種以外に目を向けることが大切です。保育士の資格を活かして保育園で働くのもいいですが、現場の経験を活かして、近隣の業界に行くものよいのではないかと思います。

――軸ずらし転職は年収アップのための“特効薬”のようにも思えます。一方で、多くの会社を渡り歩く生き方をあまりしてこなかった日本のサラリーマンには、知らない世界に飛び込む抵抗感を感じてしまう人も少なくないのでは。どうアドバイスしますか?

moto:自分の市場価値を意識することが大切だと思います。「自分はこの会社に、どう貢献できるか」を明確に語れるようにしていくと良いです。僕の場合、「自分はこの会社に○○な価値を提供できるから、これだけの年収がほしい」と伝えられるようにしています。「自分の提供価値」を意識すると、抵抗感は少なくなると思います。

とはいっても、未経験の業界に入るのは気後れしますよね。ただ、気後れして何も行動をおこさないでいるより、まずは書類を出してみるなど、何かしらのアクションをすることが大事です。「Googleに受かったらどうしよう」というような「タラレバ」な心配をする前に、行動したほうが物事は前に進みます。まずは応募して、書類選考が通るかやってみる。これが大事です。

勘違いしないでほしいのは、転職はあくまで「手段」であるということです。むやみに転職はしないほうがいいです。もし転職を考えるのであれば、「次の転職先で自分はどんなスキルを得られるか」という視点を持つと良いです。例えば、介護職から営業職に行った場合、「介護×営業」というスキルの掛け合わせができます。この掛け合わせを増やしていくことで、自分の次のキャリアで必要なことなどがわかってきます。今の段階で「次」が見えてこない人は、(今の会社を)で実績を積むことが大切だと思いますよ。

「転職と副業のかけ算」(扶桑社)

転職と副業のかけ算

moto(もと)
1987年生まれ。短大卒業後、ホームセンター勤務を皮切りに大手人材会社、リクルートなど4度の転職を経て現在はベンチャー企業の営業部長を勤める。本業の傍らTwitterやブログで転職や副業の情報を発信するブログ「転職アンテナ」を運営。ブログやSNSによる副業年収は4,000万円。著書『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』(扶桑社)は発売7日で4万部を突破。

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