はじめに

「老後資金2000万円問題」で、年金だけでは、老後の生活が厳しいと言うことを再認識された方も多いと思います。また財政検証の報告では「年金が2割減る」というニュースが取り上げられていました。

このように年金については、否定的な報道がよくされています。年金のことを心配している人が多く、「はたして自分の年金がキチンと受け取れるのか?」

また、「年金なんかあてにならない」「年金に頼らない方がいい」などと思う人もいるようです。不安なのはわかりますが、本当にそうなのでしょうか?

今回はそんな疑問に答えてみたいと思います。


「年金に頼らない」で、老後生活はできるのか?

「年金は、あてにならない」「年金に頼らない」という人がいますが、それは正しい考え方なのでしょうか? まず年金に頼らないで老後生活を送ることができるのかどうかを考えてみましょう。

もし、20歳から65歳まで働いたとしたら45年間です。そこから90歳まで生きるとしたら、35年間の老後生活があります。そのとき年金に頼らないとしたら、45年間働いたお金で、35年間の生活費もまかなうということになります。それは現実的に可能でしょうか? これが可能な人は、ごく少数でしょう。

公的年金というのは、じつは総額8,000万円近い金額を受け取ることができるのです。たとえば、年金の受給額が月額20万円だとすると年間で240万円。35年間受け取ると、8,400万円です。これがあるから老後生活をなんとか暮らすことができるのです。

実際に65歳の時点までに約8,000万円を貯めるのは、かなり難しいでしょう。ということは結局、老後生活を送る上で、年金に頼らざるを得ない言うことです。

つまり「年金は当てにならない」などと言って、年金の支払いを怠ると、老後生活はとても困ったことになるのです。

年金は崩壊する?

さて「年金制度は崩壊する」という報道もありますが、本当でしょうか? もし、この年金制度が崩壊してしまうと、どういうことになるのでしょうか?
恐らく、生活保護者の数がとんでもないくらいに膨れあがります。

なぜなら、65歳以上の高齢者の人口は3,588万人で、総人口に占める割合の28.4%です(総務省統計局、2019年9月15日発表)。

4人に1人は高齢者で、収入の中心は年金です。もしその年金がなくなると生活保護者が増え、税金の負担はさらに膨大なものになります。そして年金への負担よりもはるかに大きくなってしまうのです。すると憲法25条で保障されている「すべての国民は健康で文化的な生活を営む権利を有する」というのが難しくなるでしょう。

ですから政府としても年金制度は、なんとしても崩壊させないで維持していかなければならないのです。

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