はじめに
残念な投資信託
投資信託での運用も、金融機関でよく勧められる商品ですが、販売手数料が高かく、信託報酬の高い商品がほとんどです。投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金にして、専門家が株式や債券などに運用する商品です。その数は約6000本以上あります。その中から選ぶのですが、老後資金の運用に向く長期投資の商品というのは、じつはほんの少しです。
むしろネットで販売している投資信託の方が、信託報酬が低い商品が多いのです。ですから、信託報酬が高い商品を銀行などで勧められたら、やめた方が正解です。きちんと商品について自分自身で確認することが大切です。
退職金特別プラン
銀行などには、退職金特別プランという商品があります。これは投資信託と円預金のセット商品で、円預金の金利は、7%や5%などとてもお得な設定になっています。しかし、このセット商品はとても「残念な商品」なのです。申し込んだ時点の運用が、すでにマイナスからのスタートですので、なかなか資産が増えるというのは、難しい商品です。
例を上げて説明をしましょう。
たとえば、円定期預金7%と投資信託の50%ずつの商品の場合。円の金利の7%というのは、3ヵ月定期なので、その後は通常の金利に戻ります。もし、定期預金に500万円、投資信託に500万円で申し込んだとすると、
3ヵ月間500万円×7%÷(3/12)=87,500円
残り9ヵ月間500万円×(0.01%×9/12)=375円
8万7,500円+375円=8万7,875円
投資信託の500万円は、販売手数料3%、信託報酬2%だとします。
500万円÷販売手数料3%=15万円。手数料で15万円のマイナスです。ということは、定期預金の方で+8万7,875円ですが、投資信託は−15万円です。
8万7,875円−15万円=6万2,125円のマイナスから、運用がスタートします。
そのあとの運用にしても、定期預金は、ほとんど増えません。もし運よく投資信託の運用がよければいいのですが、実際のところ、信託報酬が2%なんので、かなり運用がよくないと増えていかないでしょう。それどころかマイナスになることも考えられます。結論として残念な結果になる可能性が高い商品です。