はじめに
第2のワークマンは?
――アウトドアといえば、作業服のワークマンが安さで人気になり、株価も上昇しています。
アウトドア商品は一般的に高いイメージがありますが、ワークマンでは安く買えます。ほかの業種では回転ずしのスシローや家具ではニトリもそうです。高いと思っていたものが「こんなに安い!」と消費者に思わせている会社の株を見つけたら、それは鉄板ですね。まだまだ埋もれているものがいっぱいあると思います。
いいものが話題になる前に買うのが長期投資のひとつの基準。ユニクロもそうですが、話題になる前に買って、話題になったら売る。会社が大きくなる前に見つけられたら、本当に10倍株が狙えます。
――「会社四季報」から探すというのもアリですか?
会社四季報はすべての上場企業が網羅されています。全部に目を通すのは大変ですが、3分の1でも読めば、大化け株は何社が見つかります。
――「伸びる」という点では、やはり小さな会社の方が勝ち目はありますか。
成長株は圧倒的に小型株が多いですからね。株価が少々高くても、まだまだ伸びると思ったら、その株は迷わず買った方がいい。小型株は流動性がないから、売りたいときに売りにくいという人はいます。確かにそうですが、たとえば総資金50万円として10万円で銘柄を買うときに、小型株だからどうこうはまったく関係ありませんよ。小型株でもそこそこ買い板(株を買おうとする注文)はありますから。
――PERやファンダメンタルズにも留意するべきですか? それでも無視してでも買ったほうがいい?
もちろんPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、ファンダメンタルズの読み方は早いうちに勉強したほうがいいです。初心者は「伸びている会社の株は上がるでしょう」と、それだけのインプットで買いたがるけど、そうは問屋が卸さない。業績がよくてPERやPBRが妥当な株を買ったほうがいいですよ。PERが100倍を超えているような割高の株は、景気が悪化するような下落局面では、将来性があったとしても、期待をへし折られるような売られ方をされます。ただ、伸びているだけではダメ。そこは注意点ですね。
――現在の時代の流れで「買い」のジャンルはありますか?
やはり今のAIやデジタル化の流れは数年で終わるものではありません。その変化にどのように乗るか、しっかりした観点をもっていれば、大化け株が狙えます。
私は正直、コンピュータはあまり得意ではありませんが、それでも買っている銘柄があります。雑誌の連載でも紹介しましたが、「JBCC」というIT企業です。IBMの代理店のような会社で、技術者がたくさん所属しています。企業のシステムをつないで統合する技術のニーズが高まり、富士通やNECの業績も上がっていますが、JBCCのような小規模な会社にも波が来ています。調べると、底力があって真面目な会社でした。「これは来るな!」と800円くらいのときに買って、今は倍ほどの株価になっています。