政府還元策の恩恵を受けたのは?

政府によるポイント還元策が始まった10月以降、コンビニでのキャッシュレス決済の利用に拍車がかかっているもようです。各社のキャッシュレス決済の利用比率を9月と10月で比べると、ファミリーマートが20%から25%、ローソンが20%から26%に伸長。セブン-イレブンに至っては35%から42%と大きく上昇しています。

これは、経済産業省が掲げる「キャッシュレスビジョン」における2025年のキャッシュレス決済比率40%を超える水準です。昨年のセブン-イレブンのチェーン全店売上高4兆8,988億円から考えると、キャッシュレス元年と呼ばれたこの1年で、年間約3,400億円がキャッシュレス決済に代替されたとみることができ、その影響力の大きさがうかがえます。

実際、10月のコンビニ各社の営業実績でも、全店売上高でファミリーマートが前年同月比0.3%減、ローソンが同2.3%増となる中、セブン-イレブンは同5.3%増と強さが際立っています。政府の還元策が2020年6月まで続くことから、各社の月次売上高に占めるキャッシュレス決済の位置づけは大きくなりそうです。ファミリーマートとローソンもキャッシュレス決済比率を上げていけるかが焦点となるでしょう。

今後もセルフレジの導入など、さまざまな先進的な取り組みの“実験場”としての役割を、コンビニが担っていくことが予想されます。身近なところから社会情勢をひも解くという意味でも、毎日のように足を運ぶコンビニに注目しておくと、思わぬ投資アイデアが浮かぶかもしれません。

<文:Finatextグループ アナリスト 菅原良介>