はじめに

医大同級生と交際はしたけれど

社交的な綾乃先生は、C医大に入学してほどなく学内で彼氏を見つけました。経済的には裕福な病院オーナー家庭の御曹司で、ゴルフ・旅行・サーキット走行会…と、楽しくデートする日々でした。しかし、祖父・伯父は旧帝大医学部卒、父親も国立医学部卒の綾乃先生は、「2浪して私立C医大」彼氏との会話に物足りなさを感じ始め……彼氏が卒業試験に不合格になったのを機にフェードアウトしました。

初期研修は「厚労省主宰の婚活パーティー」

医師国家試験合格後、綾乃先生は東京都内の名門国立D大学で研修医となりました。同期は約100名で7割が塩野先生のような男性医師、しかもほとんどが独身です。新研修医制度によって、1~2か月毎に多数の科を廻るシステムは「男性医師と結婚したい女医」にとって「厚労省主催の婚活パーティー」でもあります。時間外労働は制限されるので、朝のヘアメイクもばっちり、夜はぐっすり眠れるのでツヤツヤ肌をキープできます。

勉強イマイチだけど社交的な綾乃先生は、データ整理や掃除などの雑用を積極的にこなして上司の評判もよく、二年間の研修を修了する頃には3才年上の真面目なD大卒内科医を無事にゲットしました。

地方勤務は妊娠で回避し、最低年限で専門医ゲット

初期研修終了後は、D医大の眼科に入局しました。D医大眼科医局では2年目以降は地方の関連病院に出向させられることが慣習でしたが、その頃に妊娠した綾乃先生は「切迫早産」の診断書を提出して、ひきつづき東京都内の病院に勤務しました。出産後は半年間の育休を取得し、その後は時短で働きました。眼科専門医になるには「4年以上の研修」が必要ですがフルタイムは必須要件でないので、最低年限で専門医ライセンスを取得しました。