はじめに
タイに十年以上定住した経験のある筆者が、タイ移住へのステップを紹介する当連載、今回のテーマは「移住の資金」についてです。
タイに暮らす7万人超の日本人はどうやってお金を管理し、使っているのでしょうか。口座はどうしているのでしょうか。皆さんの実例から見ていきます。
まずは日本の口座をベースにする
海外移住といっても、そのベースとなる資金は日本の銀行口座に保管しておくべきでしょう。大きな額の現金を国外に持ち出す必要はまったくないし、そもそも危険です。
旅行であるなら、ある程度の額の現金を持っていって現地で両替していくという人も多いでしょうが、長期にわたって生活するために海外に行くのです。現金はなるべく少ないほうがいいかと思います。
持っていくのは、国外のATMから現金を引き出せるカードです。国際プリペイドカード、国際デビットカードなどといったもの。VisaやMaster、JCBなどのブランドとも提携しており、加盟店でのショッピング利用もできます。いまでは大手都市銀行やネット銀行をはじめとしてさまざまな金融機関が発行しています。
まずはいつも使っているメインバンクが、こうしたカードを持っているかどうか調べてみるといいでしょう。
デビットカードは「使った額だけ即時に引き落とし」で、ひもづけられている口座の残高、もしくは事前に設定した利用制限額までの使用ができます。プリペイドカードも同様の機能ですが、審査がなく簡単に作れるものが中心です。
クレジットカードも必須でしょう。現地ATMやショッピングでの利用のほか、万が一のときのキャッシング、それにネットサービスの利用など海外では日本以上にクレカを使います。amazonだってポチればバンコクまで配送してくれるのです。
こうした国際的に使えるカードを2、3枚は渡航前に準備したいところ。そして相互に送金できるよう、ネットバンキングの手続きも済ませておくといいでしょう。
ちなみにリタイア組は、年金の受け取り口座から、現地でお金を引き出して生活している方が多いようです。