はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、3人の子どもを育てながら、年に1度は海外旅行に行きたいという40代の共働き夫婦。月14万円以上を貯蓄にまわす優秀な家計ですが、改善すべき点はあるのでしょうか。FPの氏家祥美氏がお答えします。
・積立貯蓄:月8万円
・iDeCo:月2.3万円
・つみたてNISA:月3.3万円
・積立投信(ロボアドバイザー):月1万円
現在42歳ですが、来年再来年あたりにはできれば正社員になりたいと就職先を探しています。子どもも大きくなり、家族で出かけられるのもあと数年かと思うので、年に1度は海外旅行へ行きたいという目標もあります。貯蓄のバランス(預貯金、投資の割合など)はこれでいいのか、またボーナスからの貯蓄を今後はどのようにしていくのがいいのかについて教えていただきたいです。
<相談者プロフィール>
・女性、42歳、既婚(夫:43歳、会社員)
・子ども3人:16歳(高1)13歳(中1)11歳(小5)
・職業:派遣社員
・居住形態:持ち家(戸建て)
・毎月の世帯の手取り金額:45~51万円
・年間の手取りボーナス額:150万円
・毎月の世帯の支出目安:約31万円
【支出の内訳】
・住居費:なし
・食費:10万円
・水道光熱費:2万円
・教育費:5万円
・生命保険料:1.1万円
・通信費:1.6万円
・車両費:1.6万円
・お小遣い:5万円
・その他:5万円
【資産状況】
・毎月の貯蓄額:14.6万円
(定期8万円、iDeCo2.3万円、つみたてNISA3.3万円、ロボアド1万円)
・ボーナスからの年間貯蓄額:80万円
・現在の貯蓄総額:500万円
・現在の投資総額:50万円
・現在の負債総額:なし
氏家: 今回は、3人のお子さんがいる共働きファミリーからのご相談です。ご相談者さんはいま家計の見直しに励んでいて、月に14.6万円を貯められる家計への改善に成功しています。さらに、収入を増やすべく、2年以内に正社員を目指して転職活動もしています。
年に1度の海外旅行という目標を叶えながら、どのように資産を配分していけばいいのかというご質問にお答えします。
住居費ゼロ、固定費が少ないシンプルな家計
ご相談者さんの家計を拝見すると、まず、住居費がないことに気がつきます。戸建ての持ち家ということですが、すでにローンの返済がいらないため、今後はお金が貯めやすくなります。
「自分なりに家計(通信費、保険料、光熱費)の見直しをした」とおっしゃる通り、固定費も全般的に無駄がありません。通信費は、5人家族で1.6万円ですから、格安スマホなどに家族で一斉に乗り換えるなど工夫をした跡が見られます。生命保険料は家族で1.1万円ですから、掛け捨ての死亡保険、医療保険を各社比較しながら選んだと見受けられます。光熱費も5人家族で2万円なので、電力会社やガス会社を見直してセット割りなどを活用したり、料金プランを見直したりしているのでしょう。
住居費がなく、その他の固定費にも無駄がない分、教育費の5万円と、食費の10万円が目立ちますが、高校生、中学生、小学生のお子さんが3人いる家庭では必要なコストなので問題はありません。その他5万円も気になりますが、被服費や部活代、医療費など暮らしの諸費用をカバーしていると考えると妥当だと思われます。
その結果、手取り月収45~51万円の家庭で、支出を31.3万円に抑えられているのは、立派といえるでしょう。積立の仕組みを利用した貯蓄や投資は合計14.6万円で、収入が入ると口座から引き落とされるので、貯蓄等を先取りした残りで生活する仕組みができています。