はじめに

買収側の株価は一時3割減

ビングループによる小売事業の売却が報じられた12月3日以降、マッサングループの株価は一時最大で27%下落しました。

株価急落の背景には、

(1)ビングループの小売事業は現時点で赤字事業のため、マッサングループの収益を圧迫する可能性がある
(2)一般にファンドなどの機関投資家は、投資先の中核事業に大きな変化があった場合、いったん売却し、様子を見る傾向がある
(3)マッサングループの豚肉加工子会社の株式公開を控え、換金売りが出た
などの理由が挙げられています。

しかしマッサングループにとっては、強力な小売部門を取得したことで同社製品の販路拡大が期待されることや、安定成長期に入った食品事業に代わり、豚肉加工事業と小売事業が新たな成長の原動力になる可能性があることなどから、長期的な相乗効果が期待されそうです。

外資企業の参入も相次ぐベトナムの小売業界において、国内外の企業間の競争激化も予想されています。そうした中で国内企業がさらなる輝きを増すことができるのかという点に、市場の関心は高まっています。

<文:市場情報部 北野ちぐさ>

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